2025.06.20 生成AIのメリット 就活生が「9割以上」実感 民間調査

就職活動時にどのような場面で生成AIを活用しているか

就職活動時に生成AIを活用することのメリットはあったか就職活動時に生成AIを活用することのメリットはあったか

企業側が生成AIを活用して採用活動を行うことに対してどのように感じるか企業側が生成AIを活用して採用活動を行うことに対してどのように感じるか

企業が採用活動で生成AIを活用しても良いと思う理由企業が採用活動で生成AIを活用しても良いと思う理由

 就職活動に臨む学生の9割以上が就活時に生成AI(人工知能)を活用するメリットを実感――。そんな傾向が、就活支援サービスを提供するABABA(東京都目黒区)の調査結果で浮かび上がった。長期化が進む就活を効率化するツールとして浸透しそうだ。

 今回の調査は、2026年3月卒業予定の大学4年生のうち、「就職活動時に生成AIを活用したことがある」という245人を対象に5月27日~6月9日に行った。

 この中で生成AIを活用する場面について尋ねると 「エントリーシートの作成に利用した」という回答が最も多く、63.3%を占めた。これに「エントリーシートの推敲に利用した(ブラッシュアップ、誤字脱字チェック、添削など)」(55.5%)が続いた。多くの企業の選考で求められるエントリーシート作成の効率化を目的に生成AIが利用する傾向が読み取れた。

 その上で生成AIを活用するメリットの有無を尋ねると、「とてもあった」が41.6%に、「ある程度あった」が49.3%に達した。両回答を合わせると、大半が有用性を実感していたことになる。

 具体的なメリットを見ると、「効率的に就活を進められたので、たくさんの企業の選考に参加できた」が最も多く、52.5%を占めた。これに「効率的に就活を進められたので、大学生活や趣味を楽しむ時間ができた」(39.0%)などが続いた。生成AIが就活の効率化に一定寄与している傾向が読み取れた。

 一方で、メリットを感じていない就活生に理由を聞くと、「生成AIから出てきた結果に不信感を覚えたから」(50.0%)に回答が集中。次いで「生成AIを活用することでむしろ時間がかかってしまったから」(36.4%)が多かった。

 企業側が生成AIを活用して採用活動を行うことに対しては、「良いと思う」と「どちらかというと良いと思う」を合わせると、肯定的な回答が8割以上に達した。肯定的な就活生にその理由を聞くと、

 「選考期間が短縮され、選考結果が早く出る気がするから」(43.8%)が最も多かった。

 生成AIを就活時に利用する機運が高まる背景には、就活の早期化と長期化がある。同社は調査結果を踏まえ、「就活生も企業も適切に生成AIを活用していくことで、双方にとってより良い就職・採用活動ができる」としている。