2025.06.26 【複合機ソリューション特集】東芝テック 「e-STUDIO」シリーズと連携 クラウドストレージサービス中心の戦略を強化

東芝テックの複合機

 東芝テックは、複合機の「e-STUDIO」シリーズと連携したソリューションを強化している。クラウドストレージサービス「Collastorage(コラストレージ)」が好調で、前年比2桁伸長を続けている。

 e-STUDIOシリーズは、カラー機では20枚/分機から同75枚/分まで、モノクロ機では20枚/分機から90枚/分機までのフルラインアップをそろえている。

 「Workstyle Renovation」のコンセプトで、複合機の利用シーンをオフィスに限定することなく、多様化するワークスタイルに対応した戦略を強化している。

 リテール・ソリューション事業本部の伊藤智紀セールスストラテジーセンター副センター長は「リモートワークから対面重視などオフィスへの回帰も本格化し、2025年の市場は堅調な推移が見込まれる。ストックビジネス、ソリューション商材を拡充することで、複合機ビジネスのトータルな付加価値提案に注力していく」と、Collastorageを中心とした戦略強化を強調する。

 Collastorageは、クラウド上でデータを保存するストレージサービスで、テレワークでの利用、取引先とのデータ共有、BCP(事業継続計画)対策にも有効だ。純国産のクラウドサービスとして強固なセキュリティー機能を持つ。スマートフォルダ機能で、特定フォルダーに保存したファイルをAI(人工知能)が自動的に解析し、抽出された情報を基に整理したり、電子帳簿保存法に関わるファイルをAIで自動に仕分けることが可能。

 「今期も、順次、クラウドアプリケーションとの連携など機能強化を図っていく」と伊藤副センター長。「クラウドオートプリントと連携、夜間にポップ印刷ができる機能なども流通業業界向けに訴求」(大西誠ソリューション支援担当部長)していく。また、「当社の海外の現地法人が提供しているソリューションを国内向けにローカライズして提供し、Collastorageの提供価値をさらに上げていく」と伊藤副センター長は話す。

 同社は、さまざまな現場におけるRFIDの導入を加速するため、業界初のRFIDライターに対応したA3カラー複合機「e-STUDIO4525AC RFID」を投入している。

 「製造業、小売業、物流業などの引き合いが増加している。RFIDにより業務を大幅に効率化でき、基幹システムとの連携が可能になる。当社のオートIDのスペシャリストとの連携も強化、小売業、物流業など幅広く普及を図っていく」(菊地義祝セールスストラテジーセンター国内第二営業推進部部長)戦略だ。

 伊藤副センター長は「当社の強みはリテール、オフィス、物流など3分野をカバーしていること。こうした強みを生かし、付加価値提案をさらに強化していく」と強調する。