モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン

モバイルバッテリー安全性・品質
ガイドラインとは

製品のスペックだけでは見えない
「どのように作られ、管理されているか」に着目

モバイルバッテリーは、スマートフォンなどを外出先で充電できる身近な製品になっていますが、近年はモバイルバッテリーに起因する発火や火災事故が増加し、製品の安全性や品質に対する関心が高まっています。

こうした状況を受け、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は、モバイルバッテリーの安全性と品質の向上を目指し、「モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン(GL-015)」を策定しました。

ガイドラインは、外観や容量、充電性能といった製品スペックだけでなく、品質に直結する、製造工程から、品質管理、部材や委託先の管理、トレーサビリティー、販売後のアフターサービスまで、製品の外側からは見えにくい「背景」に着目しています。

なぜガイドラインが必要なのか

モバイルバッテリーは、外観や表示が似ていても、内部の構造や使用されている部材、製造・検査の方法、品質管理体制が同じとは限りません。

製造工程における異物混入の防止、電極の巻きずれの確認、部材や委託先の管理などは、利用者が製品を手に取っただけでは確認することが困難です。不具合発生時の問い合わせ対応もすぐにはわかりません。

MCPCは、法令への適合だけでは把握しきれない製造プロセスの継続的な管理や、事故発生時のアフターサービス体制にも着目し、業界で共有すべき考え方として整理しました。これによりモバイルバッテリーの品質水準の底上げにつなげます。

ガイドラインが目指すもの

ガイドラインは、モバイルバッテリーに搭載されるリチウムイオン蓄電池と、モバイルバッテリー製品の安全性と品質向上に向け、関係事業者が自主的な取り組みを検討し実施する際の参考指針になります。

特定の設計や製造方法、検査手法だけを一律に義務付けるものではなく、事業者が自らの責任と判断の下で、安全性と品質を確保するための考え方や代表的な対応例を示しています。

ガイドラインを通じてMCPCは、次のような環境づくりを目指しています。

【利用者にとってのメリット】

製品の価格や容量だけでなく、製造・品質管理やアフターサービスを含めて、製品や事業者を考えるきっかけにできます。

【事業者にとってのメリット】

安全性・品質確保のために実施している取り組みを整理し、取引先や利用者に説明しやすくなります。

【業界全体にとってのメリット】

製造から、品質管理、製品設計、販売後の対応まで共通の考え方を共有し、業界全体の安全性と品質の底上げにつなげられます。

利用者・事業者・業界全体にとっての意義

対象となる製品

本ガイドラインの適用対象は、モバイルバッテリーです。

ガイドラインでは、主に次の二つの立場に分け確認項目を設けています。

  • モバイルバッテリーに搭載するリチウムイオン蓄電池を製造する事業者
  • リチウムイオン蓄電池を組み込み、モバイルバッテリーとして製品化する事業者

製造工程、セル設計、サプライヤー管理、製品設計、試験、法令対応、アフターサービスなど、製品が作られてから市場で使用されるまでの幅広い段階を対象としています。

PSEマークとの関係

モバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、販売に当たっては、国が定める技術基準への適合確認と電気用品安全法(PSEマーク)の表示が必要です。

MCPCのガイドライン(GL-015)は、PSEマークに基づく法令対応とは別に、製造工程の継続的な管理、トレーサビリティー、サプライヤー管理、問い合わせ窓口やリコール対応などを含め、業界独自の視点を整理したものです。

PSEマークを置き換えるものではなく、法令に基づく認証や第三者認証を代替するものでもありません。

PSEマーク

国が定める技術基準への適合確認と、販売に必要な表示

MCPCガイドライン(GL-015)

製品の製造・品質管理や販売後の対応を含め、事業者の取り組みを幅広く確認するための業界指針

PSEマークとの関係

ガイドラインが見る「製品の背景」

ガイドラインでは、大分類12項目、小分類59項目からなるチェックシートを設けています。これらの項目は、内容を理解しやすくするため、次の10カテゴリーに整理しています。

  1. 製造・保管環境、異物管理
  2. 材料管理
  3. 電極など製造時の品質管理
  4. セル完成品検査・エージング
  5. 電解液管理・不適合管理
  6. トレーサビリティー・サプライヤー管理
  7. セル安全設計
  8. 保護制御
  9. 機構・筐体(きょうたい)安全
  10. 法規・表示・アフター体制

これらを通じ、製品の完成時だけでなく、部材の調達、製造、検査、製品設計、販売後の対応までを含む「製品ライフサイクル」を幅広く捉えています。

ガイドラインが見る製品の背景
10のポイントで見るGL-015

自己適合宣言制度とMCPC適合マーク

本ガイドラインに基づく自己適合宣言制度を採用しています。

事業者はガイドラインに基づいて自社製品や取り組みの対応状況を確認し、必要な内容をMCPCへ提出します。MCPCによる内容・適合可否の確認を経て、基準を満たした場合は適合の連絡とマークの付与が行われます。出荷後も、市場で流通する製品について継続的な確認を実施します。

ただし、MCPC適合マークは、特定製品の安全性や性能を保証するものではありません。また、製品や事業者の優劣を示したり、法令に基づく認証や第三者認証に代わったりするものでもありません。

事業者が安全性・品質確保にどのように向き合っているかを可視化し、利用者が製品や事業者を考える際の判断材料の一つとして提供するものです。

自己適合宣言制度とMCPC適合マーク
申請方法を確認する 登録製品を見る

※本ページは、MCPCが公表する「モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン」および関連資料を基に、電波新聞デジタルが一般読者向けに再構成したものです。

※制度、申請、適合マークなどに関する最新かつ正式な情報は、MCPCが公表する情報をご確認ください。