2021.01.22 【照明総合特集】トップが語る21年事業戦略パナソニック ライフソリューションズ社 島岡 国康常務 ライティング事業部長

島岡 常務

需要創造へ空間価値高める

ウェルネスなど 3つの価値を届ける

 20年度上期は新型コロナの影響による需要低迷を受けて売上げが減少したが、好調な商品も多かった。住宅分野では、巣ごもり需要を背景にスピーカ付きシーリングライトやフラットランプシリーズなど付加価値の高い商品の動きが良かった。

 また店舗照明では、自由に配光を調整できる演出照明TOLSO(トルソー)シリーズBeAm Free(ビームフリー)が好調で、このほか屋外照明分野では、ナトリウムランプ販売終了に合わせLEDトンネル照明への取り換え需要が加速した。

 海外では、中国市場が上期は前年同期比15%増と好調だった。住宅照明の商品力を強化したこと、また新型コロナの影響でWeb販売が拡大したことで伸ばすことができた。

 またアジアでは、ロックダウンなどの影響もあったが、その後は回復し、道路灯やベースライト、高天井照明などインフラ、オフィス・工場向けの需要が堅調だ。

 21年は国内照明器具が出荷ベースでほぼ100%LED化となる中、新しい光の価値をどう創るか、需要創造に向けた取り組みに力を入れる。

 その一つが空間価値を高めることで、当社が目指すのはウェルネス(心地よさ、集中、健康)、レジリエンス(安全・安心、知らせる、誘導する)、ディライト(感動、わくわく、驚き)の三つの価値をお届けして、より豊かな暮らしの実現で社会貢献していくことだ。

 今までは効率(ルーメン/W)追求が中心だったが、これからは健康、安心・安全を実現する光の提供を通して暮らしをより良くしていく。

 そのためにはセンシングデータに基づき光と空質、音、映像と連動した制御により、「見えないものを見える化」して人起点の空間価値を創出していく。

 海外市場では、IoT化が進む中国では住宅分野でIoT機能やデザイン性など商品力の強化を図り、中国発の商材を日本向けにも展開していく。

 アジア市場では非住宅分野に特化し現地優位商材の拡充を図り、空間ソリューション提案にも取り組む。非住宅件名攻略に向けた品種拡充、代理店開発など体制を強化したい。