2021.11.10 屋外照明で人の行動、心理に働き掛ける演出パナソニックが「アフォーダンスライティング」展開

アフォーダンスライティング「回遊」の演出

アフォーダンスライティング「滞留」の演出アフォーダンスライティング「滞留」の演出

 パナソニックは、屋外照明分野において、新たな演出照明を展開していく。人の行動や心理に働き掛ける「アフォーダンスライティング」という手法で、街のにぎわい、暮らしの豊かさを追求していく試みだ。

 従来の明かりは、暗がりを照らし、安心や安全、あるいは快適を提供する機能が主な役割だが、アフォーダンスライティングによって、新しい「光」の意味が加わるかもしれない。

 光が人の行動を促し、特定の場所に誘導したり、滞留・回遊させたりして、それが夜の街のにぎわいにつながるという、新しい照明演出の可能性を開いていく。

 こうした照明手法の開発は、官民一体となった街のにぎわい政策が増え、例えばアフターコロナを見据えて観光庁では、ナイトタイムエコノミーを展開し、新たな時間市場の創出に動きだしている。

 こうした背景から、夜間演出照明においても新たな役割が求められるようになってきたという。

 同社では、エレクトリックワークス社が照明事業を展開し、国内ではトップシェアを誇るが、近年LED化が進む中、LEDの省エネ・長寿命といった特長や、光源の波長制御技術を駆使して、より経済的で、見えやすい、あるいはくつろげる、働きやすい照明といった、新しい価値を提供する明かりの提案に力を入れている。

 屋外照明分野では、例えばスカイツリーのライトアップなど、フルカラー演出照明によって、夜の街のにぎわいを創出する事業にも力を入れている。

 アフォーダンスライティングは、これに加え、新たな価値を提供する照明事業として力を入れていく考えだ。効果検証にも取り組み、照明の光に動きや明暗、色などの変化を加え、人の心理や行動にどう働き掛けるか、一般の被験者30人を対象に実験を試みたところ、普通の照明と違い「光の動く方向に歩きたい」「楽しい」など、一定の優位性が見られる結果を得た。

 今後さらにさまざまな検証を進め、「滞留」や「回遊」「誘導」など、それぞれの演出が狙う効果を高め、今までにない夜間演出照明の完成度を高めていく考えだ。11月からは実際の顧客への提案も始めている。
(11日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します。)