2022.01.01 【この一冊】世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道荒木博行 著(日経BP)

 「すごい会社も派手に『失敗』していた!」。

 そううたい、さまざまな企業の失敗の歴史、いわば「黒歴史」が登場する。アップル、グーグル、アマゾン、任天堂、ソニー、トヨタなどグローバル企業20社が俎上(そじょう)に。話題になった「世界『倒産』図鑑」の著者による、続編ともいえる作品だ。

 「失敗学のすすめ」以来、「失敗」の表現が見聞されるようになったが、著者の荒木氏も述べているように、「失敗」の定義ははっきりしない。定義次第では、いくらでも広がるし、想定通り行かなかったということなら、むしろ「失敗」の方が多いとさえいえそう。そこで、荒木氏は「失敗は必ずしも避けるべきことではない」と強調する。チャレンジと失敗はセットだから、という。

 有名な事例もあれば、「へえ」と思わされる事例も。年末年始の時期。来し方行く末を考える手掛かりにもなるかもしれない。

 287ページ、1980円(税込み)。