2023.05.11 【海外ニュース】 SiCパワーソリューションを設計段階でテスト、米マイクロチップがMPLABSiCパワーシミュレーター
MPLAB SiC Power Simulator使用イメージ
アメリカのマイクロチップ テクノロジーは、従来のパワー設計を簡単、短期間で、確実にSiCパワーソリューションへと移行できるように、設計をハードで試作する前に同社のSiCパワーデバイスおよびモジュールを各種トポロジーで素早く評価できるツール「MPLAB SiC Power Simulator」を発表した。
同ツールは、シミュレーション ライセンスを購入する必要がないオンライン無償ツールとして提供され、Plexim社と共同で設計を行ったPLECSベースのソフトウエア環境で、各種SiCベース パワートポロジーの設計プロセスを加速させる。これにより、設計段階でSiCソリューションに対して信頼できるベンチマークと評価が行える。
同ツールは、貴重なベンチマーク データが得られるだけでなく、部品選択の時間を短縮する包括的なSiC評価の提供と、顧客の市場投入までの時間を短縮できる。
パワー エレクトロニクス設計で、3相アクティブ フロントエンド コンバーター用に25mΩと40mΩのSiC MOSFETを選択する際に、そのデバイスの平均電力損失とピーク接合部温度などのシミュレーション結果が即座に得られる。
電気自動車(EV)、オンボード/オフボード充電、電源およびバッテリー電力貯蔵システムなど、eモビリティー、持続可能性、産業用途向けのパワーシステムを設計しているOEMにとって非常に重要な設計ツールとなる。
同社のSiCポートフォリオには、最小の寄生インダクタンス(2.9nH未満)のパワーモジュール パッケージと、最大の許容電流定格を持つ業界最高レベルの3.3kVディスクリートMOSFETおよびダイオードがそろっている。また、SiCポートフォリオには、700/1200/1700Vのダイ、ディスクリート、モジュール、さらにはAgileSwitch構成可能デジタル ゲートドライバーも含まれる。
大電力アプリケーションにおいて、SiC技術はシリコンIGBTよりも優れたシステム効率、電力密度、温度安定性を達成できる。