2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京エレクトロンデバイス 技術商社機能持つメーカーへ 独自性発揮し事業構造を転換

徳重 社長

 東京エレクトロンデバイス(TED)は、EC事業(半導体・電子デバイス)、CN事業(コンピュータシステム)、PB事業(自社ブランド、ODM)を主力に「技術商社機能を持つメーカー」へと事業構造の転換を進めている。

 2022年3月期から25年3月期を目標とする中期経営計画「VISION2025」を推進してきたが、23年3月期で財務目標とする25年3月期の売上高2000億円、経常利益率5%以上、ROE15%以上を2年前倒しで達成した。

 徳重敦之社長は「自社のメーカーブランドを持つエレクトロニクス技術商社としての独自性を発揮したい。市場の変化を的確に捉え、スピーディーに対応しながらEC、CN、PB3事業のバランスを取り事業を拡大することが、持続的な成長につながる」と方針を示す。メーカー機能強化のためにTED長崎(電子機器開発・製造)、ファースト(画像処理装置、ロボットビジョンなど開発、製造)の2社をM&Aによりグループ化している。

 PB事業では自社で開発・設計まで担う自社ブランド製品を拡充。光のわずかな変化を捉える光学技術を用いてウエハーの欠陥を高速、高感度に検出するマクロ検査装置「RAYSENS」を既に製品化し、検査の複合化や、パワーデバイス向けの検査など市場の要求に応える次世代機を開発している。同検査装置は日本国内での受注が中心だが、欧州や東南アジアの半導体メーカーなどにも販路を広げる。ODM事業は医療に特化し、検体検査装置などの受注活動を推進している。

 EC事業はグローバル事業を展開する日系企業を主な顧客とし、産業機器、車載向けデバイスを拡充している。新たに「車載営業本部」を組織し、車載分野向けに高品質なサービス提供を強化している。ラインカードにインフィニオンが加わり、マイコンやパワー半導体で売り上げを伸ばす。CN事業は工場などの産機分野を中心にネットワークシステム構築・運用、セキュリティー監視、AI検証支援クラウドサービスの活用などを推進している。