2024.01.31 【IIFES特集】チノー クラウドで現場の見える化提案

スマートなデータ集録で現場を見える化する「チノークラウド」

 チノーは「計測」「制御」「監視」「計装」「校正」にグループ会社の展示を加え、計6エリアでブースを構成する。

 「耐熱形熱画像計測装置」は、カメラ本体に環境温度150度の耐熱性を備え、恒温槽内に設置できるサーモグラフィー。測定温度は最大300度でアルミ電解コンデンサーなど電子部品の評価試験に活用できる。

 「ビデオスコープ付き赤外線放射温度計」は、ケーブルでつないだモニター上で測定ポイントを確認できる。作業者がレンズをのぞくのが難しい狭い環境でもモニターで照準合わせが可能。シリコン単結晶のインゴット引き上げ時の温度管理でも炉内の映像をリアルタイムで監視できる。

 新計装コントローラー「ForgaN」は、さまざまな計器をつないで多数の入出力処理や演算処理を高速で多点同時に行える。制御や監視のノウハウを持つチノーがユーザーの要望に沿ったプログラムを組み制御システムを構築できる。真空熱処理炉制御で温度センサーから得られたデータをForgaNに入力すれば高精度な温度制御が可能。フィルムなどの塗工や乾燥、圧延といった工程の出力値の監視にも使える。

 クラウドによる現場の見える化も提案。同社グラフィックレコーダーやWebレコーダーで記録した現場のデータを「チノークラウド」に集約。ブラウザーで遠隔から工場などの状態を監視できる。

 脱炭素社会実現に向けた製品にも注力。同社は30年以上にわたり燃料電池評価試験装置を提供、これまで1700台以上の納入実績を持つ。水電解評価装置やSOEC/SOFC評価装置のほか、改質を評価する装置をそろえる。温度制御や圧力、物理量を計測する機構の構築も可能。

 JCSS校正試験を提供できる認定事業者として、国家計量標準へのトレーサビリティー確保に寄与できる点も紹介。測温抵抗体や熱電対の校正に適した低温用小型校正装置を実機展示する。