2024.04.01 古河電工、平塚市と「安全・安心なまちづくり」協定 防災製品に購入補助

折り畳み式止水板F-Shield

スキルフリー避難時用マットスキルフリー避難時用マット

左から矢野正三古河電工執行役員、落合克宏平塚市長(3月28日、神奈川県)左から矢野正三古河電工執行役員、落合克宏平塚市長(3月28日、神奈川県)

 古河電気工業(古河電工)は3月28日、神奈川県平塚市と「安全・安心なまちづくりに関する連携協定」を締結し、同社平塚事業所(神奈川県平塚市)で締結式を開催した。古河電工は水害時に土のうの代わりになる軽量の止水板などを平塚市に寄贈。平塚市は止水板を購入する市民に補助金を出す。

 締結式には落合克宏平塚市長や矢野正三古河電工執行役員らが出席した。落合市長は「水害が多発、激甚(げきじん)化し、首都圏直下などの大規模地震の危険があるなか、協定を一環として協力を進められることは心強い」と語った。矢野執行役員は「平塚事業所は数十年操業しており、古河電工は平塚市に根付いた企業。市民の安全担保の面で社会貢献できないかと考えた」と協定の意義を述べた。

 古河電工は「折り畳み式止水板F-Shield(エフシールド)」20枚と「スキルフリー避難時用マット」100枚を平塚市に寄贈した。ともに平塚事業所の樹脂技術を応用し開発した製品。

 平塚市は止水板を購入する市民の費用を補助する。価格の2分の1以内、10万円が上限。また止水板の購入を検討する市民への貸し出し、公共施設への試験的配備も行う。地域の防災訓練で避難時用マットの体験会も開催する。

 古河電工は20年に鹿児島県薩摩川内市と協定を結び、公共施設に避難時用マットを寄贈している。ただ平塚市との協定のような購入補助は新たな試みといい、市民に普及が進むことで「利用者の声(VOC)をもらい製品にフィードバックができれば」(矢野執行役員)と期待も込める。全国で防災・減災対策を強化する傾向は続くとみて、新たな自治体との協定締結にも積極的だ。(2日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)