2024.08.29 【防災の日特集】ローリングストック 消費しながら備蓄を 食料だけでなく乾電池も
防災用品は消費しながら備蓄する「ローリングストック」と呼ぶ手法を取り入れて管理していくことが叫ばれている。
ローリングストックは、保存食や消耗品、備品などを、普段少し多めに買っておき、古い物から使い、使った分を新しく補充する方法。日本気象協会のアンケートではローリングストックの認知度は2022年の28%から23年は43%に増加した。着実に認知度は増えてきている。
農林水産省では、非常食と日常食を多めに備え、消費しては買い足すというサイクルを作ることを勧めている。缶詰やレトルト食品なども一定数を備えて消費しながら備蓄すると災害時などでも一定の食料を確保できるようになる。
ここで注意したいのが備蓄量だ。一般的には備蓄量は最低3日分と言われている。これは人命救助で、人が飲食せずに生きていられる時間が72時間(3日間)という「72時間の壁」に起因している。災害時から72時間の間は人命救助を中心に行うため、物資の補給などは後回しになる。そこで最低3日間は自力で生き延びる必要があるため、「3日分は備蓄したほうがいい」と言われているわけだ。
食料品だけでなく懐中電灯やLEDランタン、携帯ラジオなどを用意している人もいるが、最近はスマートフォンも必需品になっているため充電するための乾電池なども必要だ。水を温めるカセットコンロなども備えておくとよい。
そこで重要なのが乾電池やカセットコンロ用ボンベもローリングストックすること。最近の乾電池は10年の長期保存ができるものもあるが、電池も日常で使いながら一定数を備蓄すると、いざというときに困らない。電池の備蓄量は日本気象協会によると、5人家族が3日間過ごすための乾電池で約50本の備蓄が目安だとしている。
単1形から単4形までの乾電池が一般的に使われることが多いが懐中電灯などには単1や単2が、ラジオなどには単3や単4が使われている。スマホの乾電池の充電器も単3などを使うことが多い。こうしたバランスを考えながら備蓄するのがよく、消費者に提案できるようにしておくとよさそうだ。