2025.01.22 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】オートモーティブワールド 見どころ/事業戦略 日本アビオニクス

「ボイドレスはんだ付け」装置

ボイドレスはんだ付け装置初披露

 日本アビオニクスはパルスヒート、超音波振動、抵抗溶接、レーザー光の接合4工法を保有するのが強み。パワー半導体やxEV(電動車)などの成長市場を対象に接合ソリューションを提案する。

 新開発の「ボイドレスはんだ付け」はパルスヒートと超音波接合を融合した技術。これまで実験機を紹介してきたが、ワーク(被加工物)の搬送と接合を自動化した装置を初披露する。ワークの予熱にも工夫を凝らし、生産効率を一層高める。

 パワー半導体モジュールの組み立てでは、チップとリードフレームをはんだ付けする工程がある。新技術では、パルスヒートの瞬間加熱により高品質なはんだ付けを行い、超音波振動で酸化膜とボイド(気泡)を除去。パワー半導体の熱抵抗低減、接合強度・接合信頼性の向上を実現した。

 真空引きを不要とし、大気中での接合が可能なため、コスト削減、時間短縮などによる生産性向上を促す。真空リフローに必要なギ酸や水素を用いないため、安全で環境に配慮した手法となる。

 樹脂の熱かしめ協働ロボットユニットも初出展。熱かしめ用ヘッドを小型ロボットに装着し、作業工程の自動化を促す。省スペースであり、現場の生産状況に応じて配置できる。

 EVハーネス超音波金属接合装置は高出力10kW性能を持ち、太径ハーネスを高速・高品質に接合する。ハーネス材料は軽量化のためにアルミ化が進む。同装置はアルミと銅の異種金属の接合に高い効果を発揮する。

 同社はセンシングソリューション事業も展開。昨年12月に発売した赤外線サーモグラフィー「H9300」を出展する。電子部品の小型化・高機能化に特化した高性能ハイエンドモデル。高精細な熱画像(温度分布)を取得でき、微小な欠陥などを検出。幅広い活用を見込むが、今回は接合後の検査などを提案する。