2025.05.02 光学機器のタムロンがスタートアップと協業 先進技術で森林管理や農業を後押し

協業するマプリィの山口圭司代表取締役 とタムロンの桜庭省吾社長(右) 提供:同社

 総合光学機器メーカーのタムロン(さいたま市見沼区)は、森林管理を支援するアプリやプラットフォームを手掛けるマプリィ(兵庫県丹波市)との間で戦略的な協業体制を構築し、同社へ出資したと発表した。

 両社は今回の協業を機に、タムロンが強みとする光学技術をマプリィのデジタル技術などに組み合わせ、シナジー(相乗効果)を発揮。森林管理や農業の効率化などを後押しすることを視野に入れている。

 マプリィは、森林などで取得した膨大な測量データを手軽に処理できるようにする「地理空間情報アプリプラットフォーム」を主力とするスタートアップ。現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しようと、リモートセンシングのサービスを提供。そこで計測・解析したデータの活用も後押しする。例えば、森林管理や林業に役立つアプリに加えて、森林調査から二酸化炭素(CO2)吸収量の算出までサポートするプラットフォームも提供している。

 日本は、森林面積が国土の3分の2を占める世界有数の森林国。林業の担い手不足などの問題が深刻化する中、森林を適切に管理する対応が求められている。両社は森林管理の支援にとどまらず、協業の範囲を他の産業分野にも広げたい考えだ。

 タムロンは、主力のカメラ用交換レンズをはじめ多彩な光学製品を手掛けるメーカー。培った光学技術を生かして新規事業の創出や育成にも力を入れており、今回の協業もその一環という。