2025.06.06 児童が収穫ロボット操作 アグリストが千葉の小学校で「スマート農業」体験会

授業の様子

収穫体験の様子。児童たちは教室前方に集まって収穫の様子を見守った。収穫体験の様子。児童たちは教室前方に集まって収穫の様子を見守った。

今回使用されたロボット「Q(探求)」今回使用されたロボット「Q(探求)」

 AI(人工知能)搭載の自動収穫ロボットを活用した「スマート農業」を後押しするスタートアップのAGRIST(アグリスト、宮崎県新富町)は4日、安房農業協同組合(JA安房、千葉県館山市)と連携し、ロボットをリモート操作して野菜を収穫する体験の機会を小学校の児童たちに提供した。

 JA安房管轄地区にある県内の南房総市立千倉小学校と鋸南町立鋸南小学校の児童たちが参加。JA安房とアグリストの担当者がそれぞれの取り組みや国内農業の状況を説明した上で、きゅうりの収穫を体験する機会を設けた。

 鋸南小学校で行われた収穫体験に参加したのは、3年生の28人。体験会では、約120キロメートル離れた埼玉県羽生市の農場と同小学校をオンラインで接続。農場にあるAI搭載のきゅうり収穫ロボット「Q(探求)」を同小学校から遠隔で操作し、作物を収穫した。適期を迎えたきゅうりをAIが画像解析して検出するという。

 児童たちは興味津々で、遠方の収穫ロボットを操作。会場からは「スマホでできるの」と、驚きの声が上がった。

 会場のモニターには、収穫の様子が映し出された。児童たちはその映像を見ながら、AIで検出したきゅうりの収穫の是非を判断。収穫ロボットは、児童たちの遠隔制御で目的の作物に近づき、つるを切った。

 参加した井戸柊介さん(8)は「ロボットで野菜を収穫できることを知らなかったのでびっくりした。農業に興味が湧いた」と感想を述べた。

 授業を担当した同社広報担当の大澤彩美さんは「人手不足が深刻化する農業に関わることに、早くから興味を持ってもらう狙いがある」とした上で、「(農業に関わる職種の中にも)さまざまな選択肢があることを知ってほしい」と話した。