2025.06.19 【OTOTEN特集】OTOTEN開催にあたって 日本オーディオ協会 末永信一専務理事に聞く
末永 専務理事
若年層の取り込みで成果
魅力ある入り口の場に
日本オーディオ協会(小川理子会長)は、良い音を楽しむオーディオ文化を広げる活動に注力している。この数年は若者層にオーディオの魅力を感じてもらうことを目指し活動を強化。毎年開催するオーディオの祭典「OTOTEN」では若者を引き込むさまざまな施策で成果につなげてきている。今年のOTOTENについて、末永信一専務理事に話を聞いた。
-ここ数年、OTOTENは若者層の取り込みに力を入れてきました。
末永専務理事 現在のオーディオ愛好家の中心は60歳以上になっており、オーディオ市場を活性化していくには若者層にオーディオファンになってもらうきっかけをつくる必要があると考えていた。
より若い層へオーディオの良さを働きかけることが重要と考え、OTOTENでは特に40歳未満の層を増やす施策を打ち、昨年は若者に人気のVチューバーAZKiさんとコラボし、オーディオの良さについて発信するとともにOTOTENを告知し、多くの若者層の来場につなげることができた。
-昨年は若者の来場が増えた印象でした。
末永専務理事 コロナ禍後からの集計になるが、2022年は来場者3395人に対し40歳未満の若者層比率は21%だった。23年は来場4337人に対し若者層比率は21%で大きく変化はなく平均年齢も55歳という結果。これが24年になると来場6179人に対し若者層比率は34%になり平均年齢は47歳になった。来場数も拡大すると同時にAZKiさんの効果もあり一気に若者層が増えた。
ここまで来るのも紆余曲折あり、若者向けイベントを企画するとイベント目当てに来場する人は増えるがオーディオにまで行きつかないこともあった。昨年は若者層の平均滞在時間も2時間半と比較的長く、参加後にイヤホンやブルートゥーススピーカーを購入したという声も聞かれた。
-今年のOTOTENの見どころは。
学生企画も継続
末永専務理事 これまでさまざまなヒアリングをしてきた中で、「若者を呼び込みたいのであれば、呼び込みたい場に若者が集まっていないといけない」ということに行き着いた。今年もAZKiさんとのコラボとともに、学生らと連携した企画も継続して行い、若者が集まれる環境づくりにも力を入れた。
会場はHi-Fiオーディオから、ヘッドホン、ホームシアター、カーオーディオまで、全ての音に触れられる場になっており、初心者から上級者、若者から年配までが楽しめると思っている。少しでも良い音に触れ、オーディオファンになってもらいたい。OTOTENはその入り口となり、ステップアップできる場となると考えている。