2026.03.13 ダイキンと京大など、祇園祭で暑熱対策検証 28℃以下に抑制

屋外・半屋外で、天井や壁を想定した空間構成を組み合わせることで、クールスポットとして冷却効果がより高まることが確認された

水素燃料電池自動車からの電力供給による運転を行い、暑熱対策と脱炭素化を両立する運用モデルも検証
水素燃料電池自動車からの電力供給による運転を行い、暑熱対策と脱炭素化を両立する運用モデルも検証

 ダイキン工業は、祇園祭開催期間の2025年7月16~24日に、屋外クールスポットによる暑熱対策「祇園祭クールダウンプロジェクト」を実施し、暑熱対策効果や二酸化炭素(CO₂)削減効果について検証した。京都大学環境安全保健機構、京都スマート電力システム構築協議会と連携し、国土交通省の25年度脱炭素・クールダウン都市開発推進事業の一環として取り組んだ。

 祇園祭は毎年7月に開催され、国内外から多くの観光客が訪れるが、近年の猛暑の影響で期間中に熱中症などの対策が大きな課題となっている。

 同プロジェクトでは、理想的なクールスポット環境の構築と最適な空間設計を行い、暑熱対策とCO₂排出量削減の効果を検証した。

 暑熱対策としてダイキンの屋外用エアコン「アウタータワー」を屋外クールスポットとして設置。暑さ指数であるWBGTを用いた分析・検証を実施した。

 また、アウタータワーを水素燃料自動車から供給される電力で運転させることで、CO₂排出量の削減を図り、脱炭素化を意識した暑熱対策としての有効性についても検証を行った。

 アウタータワーは、公開空地、山鉾(やまぼこ)町の会所(各山鉾の拠点となる場所)、観覧席(一部テントが設置され、扇風機など設置された場所)の計3カ所に設置した。

 その結果、立ち見客を想定した公開空地では、冷風吹出口から半径約1mの範囲の中で、最も暑い時間帯(7月18日の京都市の最高気温33.8℃)でも日常生活で熱中症リスクが高まる目安とされる28℃以下にWBGT値を抑制できることを確認。酷暑下でも一定時間滞在可能な局所冷却空間を形成できることがわかった。

 山鉾町の会所では、大型テントを設置し、屋外における屋根や壁、開口部の配置といった空間構成の違いが冷却効果に与える影響を検証した。

 屋外環境(テント外)と、壁(暗幕)を設けた半屋外空間とを比較し、WBGT値を測定した結果、WBGT値が約1~3℃低減することが確認された。

 屋根に加え側方を部分的に囲うことで、外気の流入が抑制され冷気が空間内に滞留しやすくなったことによるものと推定される。

 これらの結果から、屋根・壁・開口部の配置といった簡易的な空間構成の工夫が、クールスポットの効果を大きく左右することが明らかになった。

 既存の都市空間や仮設空間を活用した低コスト・短期間での暑熱対策として、効果があると考えられる。

 観覧席では、水素燃料電池自動車からの電力供給による運転を行い、暑熱対策と脱炭素化を両立する運用モデルを検証した。

 一般的な電力供給と比較した結果、CO₂排出量を約19.4kg削減することができた。この運用モデルは、他地域の屋外イベントでクールスポットを設置する際に、CO₂排出量を削減しながら電源確保を可能とする手法として参考になる。

 今後同社では、最適で簡易的なクールスポット構築を目指し、夏場の屋内外の暑熱対策を推進するとともに、屋外イベントで電源確保の困難な場所でのクールスポット用電源に、水素燃料自動車を使用した電源供給を活用していく。