2026.05.12 シャープの26年3月期、需要低迷や競争激化で減収も営業増益 構造改革が寄与
シャープが12日発表した2026年3月期の連結決算は、需要低迷や競争環境の激化などが響き、売上高は前期比12.4%減の1兆8928億1100万円の減収となった。一方で営業利益は、77.6%増の485億6500万円となった。
主力のブランド事業は、天候要因を含めた需要低迷や国内市場の競争激化などにより減収となったものの、テレビやエネルギーソリューション事業の構造改革の効果により増益を確保した。このうち白物家電、テレビ、エネルギーソリューション事業を担うスマートライフは、アジアでの冷夏の影響でエアコンが低迷したほか、競争激化により国内で洗濯機販売が苦戦し、減収となった。
河村哲治社長執行役員CEOは決算説明会でスマートワークプレイスについて、「Windows 11への切り替え特需や、メモリーの高騰に伴う駆け込み需要を確実に取り込めた」と述べ、パソコンの販売が伸長する手応えを強調した。スマートフォンが他社の攻勢を受け、スマートワークプレイス全体では減益となったものの、河村社長は「昨年計上した一過性の収益を除くと実質的に増益となった」と説明した。
ディスプレイデバイス事業は、構造改革が進み、車載とモバイル・産業用が改善したことで、赤字幅が縮小した。
27年3月期は、ブランド事業での外部環境悪化への対応やディスプレイデバイス事業の黒字化、新規事業の創出などにより、売上高1兆7700億円、営業利益490億円の増収減益を見込む。経常利益は390億円、純利益が420億円となる見通しだ。
河村社長は「成長の土台となる収益基盤を今一度強化し、スピード感を持って着実に事業変革を行い、再成長に向けた新たな形を築いていく」と強調。中東情勢の影響については織り込んでいないものの、「売価への反映やコストダウン、経費削減などで影響の最小化に取り組む」と述べた。
事業別では、スマートライフ事業がグローバル展開の加速と高付加価値化を軸に、国内とアジアでのエアコン事業と、国内ランドリー事業の販売拡大により、増収増益を目指す。
AIoT事業の強化にも取り組む。河村社長は「昨年度は、AI(人工知能)対応機器や生成AIサービスを市場に投入するとともに、顧客データの統合を進めてきた。今年度は、こうした基盤を活用し、AIサービスの事業化とグローバル展開に取り組む」と意欲を示した。
スマートワークプレイス事業は、Windows10サービス終了による特需の反動やメモリー価格の上昇により減収減益を見込むものの、オフィスソリュ―ション事業の継続伸長や、業務用ディスプレイ事業での欧米のプロジェクト案件獲得により、販売拡大を見込む。
ディスプレイデバイス事業は、車載向けとモバイル産業用パネルの販売拡大に取り組み、亀山第一工場と白山工場などの継続事業で黒字化を目指す。亀山第二工場の停止は、当初予定していた8月から12月に後ろ倒しとなる見通しだ。
河村社長は「まとめ生産が予想以上に増え、その需要に対応していくために、12月の生産終了とした」と話す。跡地の活用については「複数社が興味を示しており、できる限り26年度中に売却のめどをつけたい」とした。
さらに、将来の事業機会の拡大が見込まれるAIサーバーやEV(電気自動車)、ロボティクス・インダストリーDX、宇宙という4分野を中心に新規事業の立ち上げに向けた取り組みも進める。AIサーバーについて河村社長は、「27年度中の日本での事業参入を目標に、具体的なビジネスプランやスキームの立ち上げを急ピッチで推進中だ」としている。





