2026.09.08 SEMIとSilicon Catalystが戦略提携 半導体スタートアップの事業化加速 支援プログラムを世界のSEMICONへ展開

グローバル戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結したSEMIとSilicon Catalyst=SEMICON Taiwan 2026

 【台北】SEMIとSilicon Catalystは、「SEMICON Taiwan 2026」の会場で、次世代半導体イノベーションの加速に向けたグローバル戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結した。マイクロエレクトロニクス・エコシステムで、ハードウェアイノベーションの育成や事業拡大を支援する仕組みを構築する。

 今回の提携は、エレクトロニクス設計・製造サプライチェーンを網羅する世界的な業界団体SEMIと、半導体ハードウェア分野に特化したアクセラレーターSilicon Catalystの強みを結び付けるもの。技術の事業化を加速するとともに、スタートアップの資金調達を円滑化し、アーリーステージ企業をグローバルな半導体サプライチェーンへ直接つなげることを目指す。

AI時代のイノベーション加速

 AI(人工知能)やHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)の需要が急速に拡大する中、半導体メーカーには革新的な技術をこれまで以上のスピードで発掘、導入することが求められている。新たなハードウェア・アーキテクチャの担い手としてスタートアップへの期待が高まる一方、初期段階の半導体企業は長期にわたる資本サイクル、複雑なIP(知的財産)統合、先端製造ラインへのアクセス制限など、高い参入障壁に直面している。

 SEMIのアジット・マノッチャ プレジデント兼CEOは「AIは半導体産業の景観を塗り替え、イノベーションの推進スピードを大幅に加速させている。Silicon Catalystとのパートナーシップを通じ、半導体スタートアップを業界のリーディングカンパニー、投資家、製造エコシステムと直接結び付ける強力なグローバルプラットフォームを構築する」と話した。

グローバル展開を拡大

 パートナーシップは台湾、米国、欧州での活動を皮切りに、SEMIのグローバルネットワーク全体へ順次拡大する。この枠組みにより、SEMI会員企業はSilicon Catalystが厳選したディープテック・スタートアップのパイプラインに直接アクセスし、新興技術を早期に発掘できるようになる。

 一方、Silicon Catalystのポートフォリオ企業は、SEMIが持つデバイスメーカー、装置・材料サプライヤー、ファウンドリー、研究機関などの世界的なネットワークを活用できる。

 Silicon Catalystのピート・ロドリゲスCEOは「Silicon Catalystのスタートアップ・エコシステムとSEMIのグローバルな業界ネットワークを融合させることで、革新的技術の商業化を加速し、起業家、投資家、既存の業界リーダーに新たな機会を提供できる」と意気込みを示した。

支援プログラムを世界展開

 今回の連携で中核となる取り組みの一つが、世界各地で開催される展示会「SEMICON」でのスタートアップ向けプログラムの共同運営。「SEMICON Taiwan 2026」の「Silicon Startups Zone」を出発点とし、今後の主要なSEMICONイベントで専用パビリオンの設置、投資家とのマッチングプログラム、技術展示の機会などを順次導入する。

 SEMI台湾のプレジデント兼SEMIグローバルチーフマーケティングオフィサーの曹世綸(Terry Tsao)氏は「台湾はSEMIのエコシステムを通じ、スタートアップ、投資家、業界リーダーを連携させる価値を証明してきた。今回の提携はその実績を基盤とし、SEMIのグローバルネットワーク全体へ展開可能なスケーラブルなモデルを確立するものだ」とコメントした。

 Silicon Catalystが培ってきたインキュベーション手法と、SEMIが持つ世界規模のネットワークを組み合わせることで、半導体スタートアップが初期プロトタイプから世界規模の商用生産へ移行するための効率的な道筋を構築する。