2021.01.26 【メーカーズ ヒストリー】アキュフェーズ物語〈7〉新モデルでも絶えざる進化

セパレート型プレヤーDP-900/DC-901

■40周年にはセパレート型プレヤー発売

 2006年にはその自社開発ドライブ採用の「DP-800」「DP-500」をラインアップに加えていく。11年には技術ノウハウ全てを注入したセパレート型プレヤー「DP-900/DC-901」を40周年記念モデルとして発売し、オーディオ雑誌各社主催の各賞を総なめするという快挙に輝く。同製品は海外(欧州)でも高評価を得てブランドイメージを大きくアップさせるなど、「セパレート型のアキュフェーズ」としての存在感を示す。16年には40周年記念モデルをベースにより進化したセパレート型SACDプレヤーを発売している。

■50周年モデルも続々登場

 創業50周年の記念モデルは、第1弾に当たるプリメインアンプ「E-800」に続き、パワーアンプ、プリアンプ、SACDプレヤーが22年までに登場する。リピーター購入が多い同社製品愛用者にとっては待望の記念モデルであり、その期待を裏切らない銘機が提案されるに違いない。

 取扱店が推奨する新モデルに置き換えるにあたり、まず愛用者が入念にチェックするのはブラッシュアップされた歪み率やダンピング・ファクターなどの数値(保証特性)である。決め手は持参してきた愛聴のCDやレコードを繰り返し試聴すること。その上で、納得して購入するケースがほとんど。年に6、7モデル発売される新モデルに対し、愛用者は見慣れたシャンペンゴールドのフロントパネルをためつすがめつ眺めて恍惚感に酔いしれるほど惚れ込む。

■絶えざる進化を続ける新モデル

 50周年記念第1弾のE-800の特徴は発表済みだが、スピーカの魅力を限界まで引き出す制動力「ダンピング・ファクター1000」の確保などはその好例だ。今後、順を追って提案される記念モデルは愛用者に満足してもらえる進化を重ね、つまり「好きな音楽を心ゆくまで楽しめる」ことを約束する、もはや「あうんの呼吸」と言って差し支えないほどの信頼関係を確立している。

■多彩な音源ソースの良さを100%引き出す製品を開発

 音楽を聴くスタイルが音楽配信(ハイレゾ)に移りつつある中で、その高音質再生を楽しむCDファンが少なくないのは、同社のSACDプレヤーが安定した売れ行きで推移していることからも察しがつく。音源の移り変わりについても「成熟したSACD/CDに加えてアナログレコード人気の再燃、それに最新技術の音楽配信や、音楽愛好家がよく聴いているFM放送など、いずれも大切なソースとして共存している。

 「これからもそれぞれの音源の良さを100%引き出せる製品づくりに精魂込めて取り組んでいく」ことが同社の基本スタンス。(つづく)