2021.02.12 レガシーシステムとの統合容易に米Boomiが基盤提供

堀カントリーGM

 米Boomi(ブーミィ)は、複雑化するITシステムの統合やデータ連携を実現するプラットフォームを提供し、企業・組織のDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)を支援している。使いやすく柔軟性の高いソリューションを通じて迅速なシステム統合を実現し、顧客の事業拡大に貢献する。

 同社はデルテクノロジーズのグループ企業で、2000年に米国フィラデルフィアで創業。企業・組織が必要とするデータやシステムをつなげる統合プラットフォーム「AtomSphere(アトモスフィア)」を提供し、全世界1万2000社の顧客が利用している。17年には日本市場に進出。東京電力と中部電力が出資するJERAのシステム統合に採用されるなど実績もある。

 アトモスフィアは容易に操作ができ、迅速にシステムのデザイン・開発を可能にする。実行環境への配備も柔軟に対応できる。これらを実現するため、①フロー②APIM(APIマネジメント)③インテグレーション④B2B/EDI⑤DCP⑥MDH(マスターデータハブ)-の6機能を備えている。ローコード・ノーコード技術による直感的なフロー作成や複数のAPIを組み合わせ、一つのAPIに集約するなど様々な機能を持つ。

 日本法人の堀和紀カントリーゼネラルマネージャー(GM)は「これまでは、レガシーシステムのクラウド移行や新システムとの連携などの引き合いが多かったが、最近はマルチクラウド対応やDXを加速するためのAPIMなどでの需要が高い」と話す。

 APIMやMDHに対するニーズの拡大を受け、同社ではAPI&データハブサービスをグループ会社や顧客向けに外販する。コンポーネント再利用や統合管理などに加え、長年培ったビジネスプロセスデザインなどをサービスとして提供。API管理の運用負担軽減やDX加速などにつなげ、顧客のビジネスを後押しする。

 同社は日本での事業戦略として、認知度向上とパートナー拡充に取り組む。デルグループのブランドとリソースを活用しビジネス拡大を図るとともに、認知度向上につなげていく。パートナーは現在、NTTデータやアクセンチュアなど7社。デルテクノロジーズのパートナー企業のほか、リセールやデリバリに対応できるパートナーを拡充する。

 堀カントリーGMは「日本でのサービス拡大も着実に進めている。日本語版のトレーニングを開始したほか、ユーザーガイドの日本語版も用意した。世界で認められている当社のサービスを日本でも広め、日本の顧客とともに成長したい」と話す。