2021.05.28 AIでイチゴ生育実証実験キヤノンITS 熊本県阿蘇市で

 キヤノンITソリューションズ(キヤノン ITS)は、2019年度から20年度にかけて参画したスマート農業技術の開発・実証プロジェクト「阿蘇イチゴスマート農業実証コンソーシアム」の検証実験結果を発表した。

 同事業は、促成イチゴ栽培におけるハウス内環境および作物生育情報を活用しながら、局所適時環境調節による省エネでの多収安定生産の実現と、自動選別パック詰めロボットを活用した出荷調整作業の省力化の検証を行うというもの。

 熊本県阿蘇市は、イチゴの中・大規模栽培において、雇用労働力を有効活用することで高収益を維持しながら営農を続けている先進産地として知られている。

 実証実験では、九州沖縄農業研究センター内のイチゴ品種「恋みのり」「さがほのか」の生育状況をスマートフォンで一定期間にわたり撮影し、解析に適した高精細かつ定点の画像データを収集した。

 この中で、キヤノンITSは、イチゴ生育画像解析システムと遠隔業務支援サービス「VisualBrain(ビジュアル ブレイン)」を活用し、スマホと画像情報によるイチゴの花数、果実熟度、葉面積の生育特徴量計測技術の実証実験を行った。

 この結果、2品種の花数、果実熟度、葉面積の生育特徴量の自動計測精度は90%以上を達成。「スマートフォンのカメラ機能を使って、初期費用を抑えた生育解析や高精度な生育解析が可能なことが確認できた」(同社)としている。21年度のスマート農業技術の開発・実証プロジェクトにも応募、採択されている。

 同社は、農業分野でカメラとAI(人工知能)を活用したスマート農業技術の研究開発に取り組んでいる。