2021.07.26 CTCAIで新素材開発3年間で100社提供

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)はこのほど、材料解析シミュレーションとAI(人工知能)を組み合わせた「材料開発プラットフォーム」の提供を開始した。

 環境負荷の低い素材や信頼性・安全性の高い素材の開発を効率的に支援する。電池材料や半導体の材料開発を含む製造業、医療分野、大学と国の研究機関などを中心に、3年間で100社への提供を目指す。

 自動車・輸送機械、電機・精密機器、エネルギー、ヘルスケア・医療などの分野で、新しい材料の開発が求められている。近年は、ITを活用して複数の元素の組み合せや構造から特性を導き、性能や耐久性に優れた材料を創出する素材・材料研究「マテリアルズ・インフォマティクス」に注目が集まっている。

 材料開発プラットフォームは、材料解析シミュレーション(計算科学データ)と機械学習やニューラルネットワークを中心としたAI技術を組み合わせて、材料物性の予測モデル(学習モデル)を構築、効率的な材料開発を実現する。

 ナノスケール(原子や分子レベルの大きさ)での解析シミュレーションを行うクラウドサービスExabyte.ioの計算科学データから、材料の分子構造や特性をAIが学習、従来、数カ月かかっていた物性予測を数秒で終え、素材開発の期間短縮を図ることができる。