2021.08.11 「ネプコンアジア2021」25日開幕中国ビジネス拡大へ日系実装機各社が出展

昨年の「ネプコンアジア」の様子

製造業の活況からにぎわった「ネプコンチャイナ2021」(4月)製造業の活況からにぎわった「ネプコンチャイナ2021」(4月)

 「ネプコンアジア2021」(主催=リードチャイナ)が25~27日、中国・深圳コンベンション&エキシビションセンターで開催される。約40カ国・地域から600社が出展する国際的なイベントで、4万5000人のバイヤーが参加する予定だ。

 同展示会は「ネプコンチャイナ」と並ぶ中国最大の表面実装関連を中心とした製造装置専門展示会。昨年は新型コロナの影響でネプコンチャイナが中止になり、ネプコンアジアだけが開かれて多くの人が訪れた。以降、第5世代移動通信規格5G、EV(電気自動車)、情報通信、産業機器、半導体、インフラ関連などの製造業がコロナから本格的に立ち直り、現在も活況が続く。

 今年のネプコンチャイナ2021は4月21日から3日間、上海世博展覧館で催され、多くの来場者でにぎわった。

 ネプコンアジアには中国ビジネスの拡大を狙って、日系実装機ではFUJI、ヤマハ発動機、JUKIが現地販売会社を通じて出展し、ジャパンユニックス、サキコーポレーションなど実装関連企業も代理店経由で出展する。海外実装機メーカーではASMや韓国のハンファが、また、コーヨンなど韓国の基板検査機メーカーもブースを構える。数多くの現地企業も基板検査機、はんだ付け装置などを訴求する。

 FUJIは電子部品実装ラインの統合生産システム「Nexim(ネクシム)」を核に「FUJIスマートファクトリー」を新プラットフォームに位置付け、表面実装ラインの完全自動化を目指した次世代実装機「NXTR(ネクストアール)」を中心に展示する。

 ヤマハ発動機は自社ブースと代理店WKKブースの2カ所のブースを設ける。実装機YSM20R、YSM40R、プレミアムモジュラーΣ-G5SⅡをはじめ、超高速高精細ハイエンド3D光学外観検査YSi-V 12M TypeHS2、SMDストレージシステム(部品保管庫)なども紹介する。

 JUKIは表面実装ラインを核にした「JUKIスマートソリューション」を中心に実装機RX-7R、異形部品挿入機JM-100、基板外観検査機RV-2-3DH、電子部品自動倉庫などを展示し、他社とのオープンイノベーションによる表面実装ライン前後工程の自動化を含めたトータル提案を行う。10万CPHの搭載で大幅な生産性向上を実現する高速コンパクトモジュラーマウンターRX-8も出品する予定だ。

 ジャパンユニックスは代理店のWKKブースで出展し、ネットワーク対応の卓上型はんだ付けロボットUNIX-DFシリーズなど最先端製品を売り込む。

 同展示会が開催される深圳を中心とした東莞、広州など華南地区にはエレクトロニクス企業が集積。自動車産業も盛んで広州のトヨタ、日産、ホンダの日系メーカーのほか、広州汽車乗用車や長安プジョーシトロエングループ(深圳)、BYD(同)などが生産活動を行っている。

 新エネルギーのリチウム電池メーカーでは寧徳新能源(福建)、BYD、欣旺達電子(深圳)、深圳市沃特瑪電池(同)、恵州市徳賽電池(恵州)などが進出。液晶パネルメーカーは華南地区にBOE(福州)、華星光電(深圳)、天馬(アモイ&深圳)、TRULY(恵州)、LG(広州)、フォックスコン(深圳&広州)など中国の有力パネルメーカーが集まっている。

 米中の対立がエスカレートするなど、先行きの予断を許さない状況が続く中国だが、一方で「中国製造2025」や「一帯一路」など成長戦略は加速している。実装機市場ではネプコンアジア2021の開催を経て、年末に向けて市場の盛り上がりが期待される。