2021.10.27 大阪ガス、石油開発から撤退ノルウェー・北海などの事業の持分売却


 大阪ガスは27日、子会社を通じて所有する石油開発会社、出光スノーレ石油開発(出光スノーレ、東京都千代田区)の全株式を売却する、と発表した。国内石油開発最大手、INPEXに譲渡する契約を結んだ。これで、大阪ガスは石油開発についての権益はなくなり、事業から撤退することになるという。脱炭素などの潮流の中、エネルギー各社が急ぐ事業ポートフォリオの整理の一環とみられる。

 出光スノーレは100%出資するノルウェーの現地法人が30年以上にわたって、ノルウェー領北海にある鉱区などで石油、天然ガスの開発を続けてきた。大阪ガスは2005年に出資して参画。これまで出光興産が株式の50.5%、大阪ガスと住友商事の合弁会社、大阪ガスサミットリソーシズ(大阪市中央区)が49.5%を所有してきた。

 今回の契約で、大阪ガスサミットリソーシズが持つ全ての株式と、出光興産の持ち分のうち1%を、INPEXに売却。INPEXが全株式の50.5%を所有することになり、出光スノーレはINPEXの連結子会社に移る。ノルウェー政府が22年1月ごろに承認する見込みという。

 大阪ガスによると、ノルウェーの石油開発は順調に進み、安定的な収益を確保できてきたという。同社は、開発事業のノウハウ蓄積のために、現地に出向者を派遣するなど人材育成を図ってきた。

 売却の理由を、大阪ガスは「一定程度、参画の目的を達成できた。経営資産を入れ替えるためだ」と話している。同社は天然ガスについては、豪州や米国などで開発事業を継続していくという。

 また、出光スノーレを連結子会社から外した形になった出光興産は「連結バランスシートの圧縮、スリム化につながる」と話している。