2021.12.24 しくみデザイン開発 教育アプリ「Springin’」に注目知識不要、直感操作でプログラミング学ぶ
直感的な操作が特長のスプリンギン(提供=しくみデザイン)
【福岡】事前の言語学習や専門知識がなくてもプログラミングを学べる、しくみデザイン(福岡市博多区、中村俊介社長)が開発した教育アプリ「Springin’(スプリンギン)」が、教育現場で注目を集めている。
AR(拡張現実)音楽アプリ「KAGURA」や、エンタメサイネージ作品などを手掛ける同社が2015年にリリースした。
ボタンを押すなどの直感的な操作でゲームや絵本などのデジタル作品を作ることができるのが特長。作品作りを通じて論理性と創造性を育めるとして、全国の小学校や塾で活用が進む。ダウンロードは無料で、総ダウンロード数は約84万回(12月現在)に上る。
文部科学省や総務省、経済産業省が企業と連携して小学校のプログラミング教育を推進する取り組み「みらプロ2020」に採択されるなど、優れたプログラミング教育ツールとして評価されている。
このほどiOS版のみだったスプリンギンのAndroid版と、小学校・塾向け教材パッケージサービス「スプリンギン・クラスルーム」が完成した。
スプリンギン・クラスルームは、プログラミング経験のない教員がスプリンギンで授業を行うためのサービス。より効果的に活用したいという現場の声も参考にして生まれた。
60分授業40回分のテキスト10冊を収録していて、端末が4台以下の教室・塾では月額6800円から、5台以上は月額1万3500円から利用できる。
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リリースに合わせ、同社の中村社長が1日、福岡県の服部誠太郎知事と吉田法稔教育長を訪ね、アプリ開発の経緯や進捗を報告した。
中村社長は「プログラミング教育の必要性が叫ばれる一方、未経験の教員が多い現場では指導が大変との声がある。いかに簡単にできるかを考え、紙とペンのように扱えるツールとして開発した」と、開発の経緯やポイントを説明した。
中村社長とスプリンギンでの作品作りを体験した服部知事は「未来を担う子どもたちの可能性を広げるため、プログラミング教育は重要だ。教育委員会とも連携し、アプリが活用されるよう取り組んでいきたい」と語った。