2022.02.22 JAPEX、LNG基地の建設に参入ベトナム北部で現地企業に資本参画

基地の完成イメージ

 石油開発国内大手の石油資源開発(JAPEX)は、ベトナムで液化天然ガス(LNG)基地の建設プロジェクトに参入。計画を進める現地企業に資本参画する。海外のLNG基地に参画するのはカナダに続いて2例目となる。今後、東南アジアで展開を目指すエネルギービジネスの拠点にもする考えだ。

 建設計画があるのはベトナム北部のハイフォン市。トンキン湾に面したナム・ディンブ工業団地の一画に基地を建設し、LNGを調達、貯蔵してベトナム国内のガス会社や需要家に供給などを行う。

 2021年12月、現地で計画を進める天然ガス供給販売会社(ホーチミン市)の株式の一部を購入する契約を締結した。購入額は非公表。同社などがLNGの調達先などの検討を進めている。

 ベトナム北部では唯一のLNG基地計画とされ、ベトナム政府が策定したエネルギーに関する計画などにも産業発展を担うLNG供給拠点と位置付けられている。20年2月には政府の承認も得たという。

 JAPEXは、福島県新地町で大型の相馬LNG基地を18年3月から操業している。北海道小牧市に勇払LNG受け入れ基地を保有してきた経験も生かすほか、ノウハウのあるガス供給について現地でサポートしていく。

 計画では初期段階として、年間最大65万トンのLNGを受け入れられる設備を整備。容量5万立方メートルの貯蔵タンクなどを建設する予定だ。また、20年代後半には設備を拡張させるため、3万立方メートルの貯蔵タンクを増設する案もある。

 JAPEXの最終的な投資判断は22年下期になる見通し。着工時期などは未定だが、25年の操業開始を計画する。「CCS(二酸化炭素の回収、貯留)など、ベトナムを中心に東南アジアでの展開を目指しているエネルギービジネスの拠点にしていきたい」(コーポレートコミュニケーション室)という。