2022.06.10 【オーディオ総合特集】製品トレンド

売り場でもHi-Fiオーディオやホームシアターの提案が進む

ハイレゾ

 この数年で一気に拡大してきたハイレゾ音源も引き続き注目されている。日本オーディオ協会がハイレゾ規格を取りまとめ、ハイレゾ対応の製品展開も進んだ。アンプやスピーカー、プレーヤーなどデジタル機器のハイレゾ対応が加速し、主要各社が発売するオーディオ機器の多くがハイレゾ対応になってきている。

 Hi-Fiオーディオ機器は、アンプやスピーカーの特性により音源や楽曲を選ぶ傾向があるが、最近は幅広い音源で高音質が楽しめるチューニングをするところも多い。ブルートゥース接続をするケースも増加し、ワイヤレスでもハイレゾ対応する製品も増えている。ユーザーの用途や要望に合わせた提案がさらに重要になってくる。

ヘッドホン

 スマートフォンで音楽を楽しむ人が増えている背景からヘッドホンの市場も底堅いが、最近はワイヤレス接続ができるブルートゥース対応ヘッドホンや、ブルートゥース対応スピーカーも一気に拡大してきた。無線でも高音質で再生ができる圧縮技術も出ていることから、ブルートゥースでも高音質で音楽が楽しめるようになったことも追い風だ。

 ヘッドホンではノイズキャンセリング技術も注目されている。外出時の騒音下でも外部の音を遮断し、静粛な状態で音楽が楽しめる。ソニーをはじめ、各社がノイズキャンセリングへの取り組みを本格化している。

 在宅勤務に伴うビデオ会議などにも対応したヘッドホンも増えており、音声が聴き取りやすいといった特徴を持たせている製品も出てきている。

ホームシアター/3Dオーディオ

 高精細4Kテレビの拡大とともに、より臨場感のある音を楽しむ需要も増え、ホームシアターシステムへのステップアップを検討する人も増えている。この数年はオブジェクトベースオーディオが浸透してきた。

 これまでのスピーカー数をチャンネルごとに割り当て駆動する「チャンネル」型オーディオに対し、オブジェクトオーディオは、映像内の対象物(オブジェクト)の動きに合わせて音を割り当て、スピーカー数を多くすることでより臨場感を出せるようにしている。

 オブジェクトベースオーディオの一つに、2012年にドルビーラボラトリーズが発表した最新のシネマ音響「ドルビーアトモス」やDTSがマルチチャンネルオーディオ技術「DTS:X」などがある。天井にスピーカーを設置して立体音響を実現するケースや上向きのスピーカーから音を出し、天井に音を反射させて臨場感のある音場を実現するものなど幅広い。

 さらに、ハイレゾに次いで注目されてきているのが3Dオーディオやイマーシブ(没入感のある)オーディオだ。包み込まれるような360度の音響が楽しめる。

 3Dオーディオの規格は、ドルビーアトモスとソニーの360リアリティオーディオ。没入感のある音が体験でき、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)と合わせて使うケースやゲームでも対応が始まっている。こうした新しい規格の動きも今後注目される。