2022.07.08 【電子部品技術総合特集】オータックス 中谷邦夫 テクニカル・品質保証担当
中谷 担当
最先端の加工技術を導入 品質向上、自動化促進
オータックスは「メーカーサービス業」を方針に掲げ、「顧客に役立つ商品サービス」を開発ポリシーに各種商品開発を進めている。
7月11日付で「執行役員テクニカル・品質保証担当」に就任予定の中谷邦夫社長付テクニカル・品質保証担当は、技術開発の取り組みについて、「スイッチ開発では既存品のリニューアルをテーマとし、その中で①現行品の品質改善②自動機での高速生産に適した設計③新たな価値の付加(好感触、防水防じんなど)の三つのこだわりによる開発に取り組んでいる」と説明する。
開発手法としては、あらゆる方面から品質情報を集め、原因を追求して商品設計や工程設計で解決していくため、品質部門や工程設計部門を巻き込んだコンカレント開発を進めている。これにより、QCDを基本に顧客価値の創造を目指す。
医療機器事業では、パルスオキシメーター、超音波診断装置用プローブなどを手掛け、「ISO13485:2016認証取得を強みに、さらに新たな開発テーマの発掘につなげる」(中谷氏)。
グローバル化への取り組みでは、海外の生産現場との連携を重視し、マザー工場の中国・深圳工場(広東省深圳市)と商品開発部門が一体となって開発テーマのレビューを実施。マレーシアやタイ、中国・無錫の各工場での現地開発も進めており、日本側でレビューを実施している。
アライアンス/コラボレーションにも積極的に取り組み、機器メーカーと連携しながら、新たなレーザー加工、超音波バリ取り、超音波溶接、自動はんだ付けなどの技術の取り込みを行っている。「これらの最先端の加工技術の導入により、品質向上、自動化促進につなげている」(中谷氏)。
富士通コンポーネントから事業譲渡を受けたコネクターの生産も本格的に開始した。「基板対基板コネクターに必要な高速伝送技術などの取り込みを進め、さらに進化させる」(中谷氏)。
脱炭素/カーボンニュートラル対応では、カーボンニュートラル実現に必須の直流化社会に向け、高圧電流を開閉できるスイッチ、コネクターの開発を進めている。また、EVに使用されるより線の太ケーブルの接続技術として、超音波溶接技術を進化させていく。