2022.09.30 オーディオテクニカが創業60周年記念のMCカートリッジ/ヘッドホン

「AT-MC2022」(左)と「ATH-W2022」

 オーディオテクニカは、創業60周年を記念して発売されるMCカートリッジ「AT-MC2022」と、ヘッドホン「ATH-W2022」の先行情報を公開した。両モデルとも、発売日や価格などの詳細情報は11月頃の発表を予定している。

 同社は1962年にカートリッジの製造・販売から始まり、今年で60周年を迎えた。今では、祖業の製品であるカートリッジをはじめ、マイクやヘッドホンなど振動を電気信号に変えるトランスデューサー(変換器)メーカーとして、さまざまな製品を開発している。

 60周年を迎えた今年は、これまで継承してきた伝統と培ってきたノウハウ、プロフェッショナルが認める高い技術力を結集したプロダクトを発売する。

 その第1弾として発表するのが、MCカートリッジAT-MC2022とヘッドホンATH-W2022。同社が持つアナログ技術と日本のクラフトマンシップの融合により、目と耳で豊かな時間を楽しめる特別な存在感を放つ。

 AT-MC2022は、60年にわたるアナログカートリッジ技術の研究開発において、同社のハイエンドに位置するカートリッジ。アナログオーディオ愛好家に、今まで体験したことのないサウンドパフォーマンスを提供する。

 軽量で耐久性に優れたチタン製のハウジングを採用し、ダイヤモンドカンチレバーとスタイラスを一体化することで、レコード溝の動きをより正確に発電コイルに伝達する。

 チタンハウジングの側面にある三角形部分に黒色の七宝(しっぽう)風装飾を施している。職人の手作業による、光沢感まとう美しい仕上げと黒の配置が引き締まった印象を与えるデザイン。

 ATH-W2022は、同社のウッドモデル史上、最高の贅(ぜい)を極めたヘッドホン。96年の初代ウッドモデル「ATH-W10VTG」以来、25年以上にわたり、ヘッドホンに適したさまざまな種類の木材を探し求めてきた。14代目となる同製品では、初代モデルで採用されたミズメ桜を復活。バッフル一体型の新開発58ミリメートルドライバーを搭載し、豊かで没入感のあるアナログリスニング体験を提供する。

 ハウジングには越前漆塗りを採用し、さらに職人が一筆一筆に思いを込め丁寧に描いた蒔絵(まきえ)が施されている。この蒔絵は、空気に触れることで色合いが変化するので、時の経過とともに変わるハウジングの絵柄を目でも楽しめる。杢目(もくめ)と同様に、蒔絵も一台一台職人の手書きにより味わいが異なることから、世界に一つしか存在しないヘッドホンとなる。