2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ネクスティエレクトロニクス 柿原安博社長
柿原 社長
さまざまな顧客需要に解決策提供
ネクスティエレクトロニクスは、トーメンエレクトロニクスと豊通エレクトロニクスの統合で設立した。
豊田通商グループのエレクトロニクス事業の中核を担う商社として、今年4月に事業開始から7年目を迎える。
青木厚社長が退任し、昨年4月に柿原安博社長が2代目社長に就任した。
柿原社長は「半導体不足の中、供給網をいかに途切れずつなぐかに努めた」と就任1年目を振り返る。
顧客の適切な需要量を見定めて、「融通のし合いなど、供給の細かな調整を繰り返した」と2022年はサプライチェーンの最適化に苦心した一年となった。
車載向け製品は、欠品を防いで供給を継続することが最大の使命と任じる。
「電動化、自動運転、ADAS、コネクテッドなど案件は山ほど抱えている状態」(柿原社長)だ。
新たな商材として力を入れるのは燃料電池。5kW以下の小型の電力アプリケーションを狙い、ドローンや電動ラジコン草刈り機用の発電機への展開を図ってきた。
昨年はシンガポールのスペクトロニックの水素燃料電池の取り扱いを開始。リチウムイオン電池以上の長時間駆動が特長で、二酸化炭素の排出抑制など環境性能を訴え、23年はさらなる訴求を図っていく。
自動車産業のソフトウエア設計の効率化を目指して開発したデジタル設計書を、複数企業で流通させるクラウドサービス「moderix」を開発。ソフトの開発人員減少にも対応する。
12月に販売代理店契約を結んだカナダのZEROKEYの超音波を使った「高精度屋内位置測位システム」も期待される新規商材。1センチメートル以下精度の位置測位が3次元で可能だ。展示会で紹介したところ、数十社から引き合いがあるなど好評という。
「半導体業界と自動車・産業機器業界のギャップを埋めるのがわれわれのミッション」と語る柿原社長。ソフト開発支援はその具体化の一つだ。
外注を合わせると常時1200人の組み込みソフトエンジニアが対応できる態勢で、さまざまな顧客ニーズに対し、ソリューションを提供していく。