2023.07.06 【5Gと次世代無線通信技術特集】アルチザネットワークスがGriffinハイエンドFPGAボードを開発

Griffin N6060

vRANやネットワーク機器映像伝送などに

 アルチザネットワークスの開発した、GriffinハイエンドFPGAボードは、IntelのハイエンドFPGA Agilex 7F series (AGFB027)を搭載するPCI-Express Gen.4x16カード。100ギガbpsのQSFP28ポートを2基、DDR4メモリー16ギガバイトを備え、超高速映像伝送・映像編集など、大量のデータフローを必要とするシステムに最適なプラットフォーム。

 最高クラスのFPGAファブリックで、従来は別ボードに分けざるを得なかった機能も1ボードに収まる。IEEE1588の時刻同期機能、SMAコネクターでの1PPS入出力の実装も可能。CPU専用の2ギガバイト DDR4メモリー、FPGAファブリックと併せてSoCを構築することができる。さらに、Board Management Controller(BMC)として、Intel MAX 10 CPLDを搭載。電源/温度管理、リセット制御、FPGAのコンフィギュレーションをつかさどる。

背  景

 Intelは以前からN3000などPAC(Programmable Acceleration Card)事業を展開。現行のAgilex FPGA世代以降は3rd Partyのみにしたいという意向もあり、PAC(現行はADP<Acceleration Development Platform>)開発の提案があった。

 開発に当たってIntelよりReferenceとなるN6000(Codename:Arrow Creek)の情報提供を受けている。

 Arrow CreekとGriffinのハードの違いは、主として、Fabric-Leを増加したFPGAを搭載したこと。

 N6060とN6061の違いはNICチップがある(N6060)、無し(N6061)およびその違いに起因するPCIeの接続方法。

 二つの用途として想定するうち、SmartNICは、主にvRAN/NFV用途を想定した、NIC(Network Interface Chip)+FPGAを搭載し、SFPなどのNetwork I/Fを持っている拡張ボード。

 またFPGAボードは、機能ブロックの面でいえば、ハイエンドFPGAにNetwork I/F(100ギガbps)を持ったボード。各FPGAベンダーはFPGA評価ボードを販売しており、それに似たボードでもある。

用  途

 SmartNIC用途は、IntelのHPでも紹介。さらに、FPGAボード用途として使う顧客向けに主にマクニカからも販売する。ユースケースの1つはvRAN。汎用(はんよう)サーバー(仮想化)などを想定する。また、NFV用途も想定している。

 FPGAボードでは、ネットワークカメラからの映像信号の入力・ビューワーへの出力など高スループットを必要とするネットワーク映像機器の伝送および映像の編集用途を想定する。想定顧客は、映像にテロップを挿入する機器を製造販売する先や、他放送業界向け映像機器製造メーカー、半導体製造装置(露光装置)メーカーなど。

 また映像伝送デモ構築を目指している。 このデモでは4K映像をIP(Ethernet)で入力し、サーバーのソフトで映像表示+編集、 編集した映像をIP出力することができる。