2023.10.02 JCOMなど堺市でAIオンデマンドバス実証実験 1日から来年1月末まで

出発式のもよう

 堺市、南海電気鉄道、南海バス、JCOMは1日、堺市の泉北ニュータウン地域でオンデマンドバスの実証実験を開始した。期間は来年1月31日まで。11地区で50停留所を設置し、駅だけでなく商業施設や病院、公共施設などもその対象とした。当日は出発式を実施し、機運を高めた。

 泉北ニュータウン地域は起伏のある地形に加え、高齢化が進むエリア。住民の移動課題の解決に向けた取り組みが求められていた。今回の実証事業では、ワンボックス車両(客席8人)を2台用意。時刻表や決まった運行経路がない予約型の乗合バスを活用することで、住民の移動課題の解決や移動利便性の向上、高齢者の外出促進に繋がったかなど、移動ニーズの調査、検証を行う。

 事業主体は南海電気鉄道、バスの運行主体は南海バス。AIオンデマンドバスのシステムはJCOMが提供する。JCOMでは社内営業員向けにライドシェアサービス「J:COM MaaS」を20年7月より開始。堺市を含む全国21拠点で展開している。3年間で蓄積されたAIオンデマンドシステムのデータや運用ノウハウを活用する。同社としてシステムの商用化は初めて。

 バスの利用料は1乗車300円。スマートフォンアプリ、電話での予約が可能。停留箇所は主要3駅のほかスーパー、ホームセンター、区役所、温浴施設など泉北2号線沿いの商業施設なども加えた。

 当日は出発式を実施。式には南海電気鉄道の二栢義典常務執行役員や堺市の加勢英哉泉北ニューデザイン推進監、ジェイコムウエストの櫻井俊一社長などが参加。櫻井社長は「システムは3年間社内向けに実証してきた。今後のサービスに生かしたい」と語った。