2023.11.08 【鉄道要素部品・システム特集】三和電気計器 接近センサー「SN301」、人体電位で高圧電源接近検知

人体電位を測定して電源への接近を検出する「SN301」

 三和電気計器は接近センサー「SN301」(6.6kV架空配電線用)を出展する。

 送電線など電気設備での作業時に、高圧充電部に近づくと警報で感電の危険性を知らせる警報機だ。人体に生じる電圧(人体電位)を測定して電源への接近を検出する。

 一般的な活線警報器はセンサー部を充電部に近づけると電圧を検知して発報するが背面などの死角が存在。全身を感電から守るためには頭部や両足など複数箇所に警報器を装着する必要があった。

 SN301はアースと人体の間の電圧を測定することで充電部への接近を検出し、装置本体を充電部に近づける必要がない。ヘルメットにSN301を1個装着するだけで、全方位から高圧交流電源への接近を検知する。

 センサー部を電源側に向けなくても検知できるため、本体から離れていても検出が可能。約140センチメートルで「注意」、約70センチメートルで「警告」と、接近距離に応じて2種の警報を発する。

 電力会社、サブコンなどで多数採用されている。個人事業主や電気主任技術者などからの問い合わせも多く、同社は「現場測定器の新たな分野を開拓できた」と手応えを示す。鉄道関係では変電設備のメンテナンスでの適用が想定される。

 来春には特別高圧の変電所向けタイプをリリース予定だ。対象電圧は33/66/77kV。今後、キュービクルなどの使用場面にも対応したモデルを開発する計画で、海外などの需要を探るため市場調査も進めたい考えだ。