2023.11.27 【はんだ総合特集】千住金属工業 低温ソルダリングソリューションを提案 白物家電量産プロセスに採用

低温ウェーブはんだ付け装置BITHUS-Wave MTF-300

 千住金属工業は、はんだ業界におけるカーボンニュートラルのリーディングカンパニーを目指し、低温ソルダリングソリューションを実装業界に広く提案している。同ソリューションは、SAC305などの従来製品よりも融点が約80度低い(低融点)はんだ付け材料、低温ウェーブはんだ付け装置、実装プロセスの三位一体で提供する。

 低温はんだ付け材料はSn-Bi系のソルダペーストや棒はんだ、Sn-Bi系の流動性を改善し優れたぬれ性を確保したフラックス、さらに修正・後付け用のやに入りはんだまでそろえる。はんだ槽はSn-Bi系低融点はんだで発生しやすいドロスを低減し、基板に付着するドロス量を少なくする新たな噴流ノズルを開発した。

 いずれも市場の要求に応えて漸次、改良を進めている。同ソリューションブランドに、未来を見つめながら次世代のソルダリングカンパニーとして成長を目指す「MILATERA(ミラテラ)」を立ち上げ、広く普及を図っている。

 同ソリューションは複数の家電メーカーが白物家電の量産プロセスに本格的な採用を始め、同社のラボを活用して評価試験を依頼するケースが急増するなど市場の評価が高まっている。また海外のPCメーカーにも数年前から採用されている。

 リフロー炉では断熱構造の強化などで消費電力量をSNR-GT比で約10%削減したSNR-GTⅡを新たに市場投入した。デュアルモデルの製品化も推進。インバーター向けなどで需要が拡大しているパワー半導体向けはんだ付け材料では、プリフォームを強化している。

 単層、単層Niボール入りなど用途に応じたさまざまなプリフォーム材をリボン形状中心に提供。車載向けでは高信頼性と高密度実装を可能にするソルダペースト「D-SOL(ディーソル)」などを拡充している。