2023.12.06 穴や凹凸のない「清潔イヤホン」実現へ、軟骨伝導発見の奈良医科大・細井学長をJASが顕彰

特別講演で軟骨伝導イヤホンの特徴を説明する細井氏

 音の出る穴と凹凸がなく、水中でも聴こえるイヤホンを実現可能――。「第3の聞こえ」である軟骨伝導を、骨伝導以来500年ぶりに発見したとされる奈良県立医科大学学長の細井裕司氏の功績をたたえる顕彰式を、日本オーディオ協会(JAS)が6日、東京都内で開催した。

 JASは、音を通じて文化創造や社会貢献した人物を顕彰する「音の匠」を毎年実施している。「音の匠」に選ばれた細井氏は、軟骨を振動させることで耳の中の空気を振るわせ、音を伝える「軟骨伝導」を2004年に発見。空気振動で音を伝える「気導」、骨を振動させて音を伝える「骨伝導」に続く「第3の聞こえ」で、500年ぶりの発見とされる。

 細井氏は「(軟骨伝導を使った)さまざまな製品をここにいる日本企業が世界に送り出して欲しい」などと喜びを語った。

 顕彰式後の特別講演で細井氏は、軟骨伝導イヤホンの特徴として音の出る穴や凹凸がない点などを説明。空気振動のカナル型イヤホンや骨伝導イヤホンに対し、「最も清潔で健康的だ」と強調した。

 (7日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)