2024.01.16 【半導体/エレクトロニクス商社特集】オーエスエレクトロニクス 東海林尊信社長

東海林 社長

パワー系商材拡大し販売強化

 オーエスエレクトロニクスは1963年4月創立で、昨年2023年4月に60周年を迎えた。米オンセミの正規代理店として事業を拡大し、日本国内をはじめ中国や台湾、米国など海外サプライヤーの半導体製品を幅広く扱う。台湾、シンガポール、香港、中国(上海、深圳)、インドに拠点を設けて海外事業も展開している。

 東海林尊信社長は「各種の予測をみても、半導体の市場は来年は回復しそうだが、市場環境の変化も激しく、過去の経験にとらわれない判断が必要。需給動向や為替変動、製造業の設備投資を注視しつつ取り組む」と述べる。

 パワー系の商材を拡大し、台湾系のほか米トランスフォームと20年に代理店契約を結び、GaN(窒化ガリウム)デバイスの販売を始めた。従来から取引のある台湾の半導体メーカー・ヌヴォトン テクノロジーが、パナソニックから半導体事業を譲り受けたことで、旧パナソニックのマイコン、アナログICなどの販売も強化している。

 メモリーは、大手メモリーメーカーが注力しなくなった低容量のレガシー製品を中心に提供している。台湾のSSDなどのメーカーとも代理店契約し、売り上げを伸ばしている。レガシーなデバイス、パワー系の不足が続いている中、新規商材の発掘を中国や台湾系を中心に進めている。

 海外事業も強化する。インドは約10年前から事業を始め、デリーに本拠のオフイスを構え、バンガロールとプネにサテライトオフィスを設けている。ローカル企業向けビジネスで順調に伸ばし、eバイクや車載にも期待する。

 台湾もローカル企業を顧客に、オンセミ製品や中国製マイコンなどを提供し、売り上げを伸ばしている。中国市場向けは日本からの移管ビジネスが中心。米国に拠点を設ける構想もある。

 中国市場の回復がまだ不透明なこともあり、ASEANシフトにも対応していく。