2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】富貴電子(淮安)有限公司 帝国通信工業 日本の技術者出張本格化、生産ライン省力化に注力

中国工場の外観

佐々木 総経理佐々木 総経理

 帝国通信工業は、中国淮安市に抵抗器の一大生産拠点を展開している。自動化・省人化による生産性向上とともに、中国ローカルの有力顧客向けのビジネス開拓に努めている。

 中国工場「富貴電子(淮安)有限公司」(江蘇省淮安市、佐々木幸総経理)は、旧無錫工場からの移転により、2012年に操業を開始した。生産品目は固定抵抗器を中心に、ヒューズ抵抗器や給湯器用のヒーター抵抗器、着火プラグなど。工場は2階建ての工場棟2棟と倉庫棟からなり、延べ床面積約6600平方メートル。

 当初は手組みラインが多かったが、自動化を順次進め、内製した自動機を活用した自動化・省力化を推進している。従業員数は15年、16年頃は約500人が在籍したが、省人化の進展で現在は約360人まで減少し、一人当たりの生産性は着実に改善している。

 佐々木総経理は「過去数年間はコロナ禍での移動制限で、部分的な省力化活動が主体だったが、今年からは日本の技術者の出張が本格化するため、生産ライン全体を見据えた省力化に注力できるようになる。24年はこの活動を加速させる」と話す。

 生産する製品は、エアコンや給湯器、暖房機向けなどが中心で、仕向け先は日本やASEANなどの輸出が7~8割を占めるが、今後は中国国内市場向けを拡大していく方針。日系顧客向けが主体だが、近年は中国ローカル顧客への供給も徐々に増加している。

 24年度に向けた取り組みについて佐々木総経理は「自動化・省人化を強力に進める。分野別では、成長が見込まれる中国EV(電気自動車)市場へのアプローチを強化する」と話す。

 EV関連では、電源チャージ用セメント抵抗器などの拡販を推進する。

 同工場は、21年は給湯器需要の急増で大きく生産が増加。22年と23年はその反動がみられたが、「24年後半からの回復に期待している」(佐々木総経理)。同社グループでは、BCP(事業継続計画)を考慮し、23年から同一製品のマルチ生産体制への取り組みにも力を入れている。