2024.05.13 「富岳」2部門で9連覇 計算速度は4位、トップは米 スパコン世界ランク
スーパーコンピューター「富岳」
富士通は13日、理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、スパコンの計算性能を競う世界ランキングの主要4部門うち、産業利用などで実際に用いられる演算能力を測る「HPCG」など2部門で9期連続1位を獲得したと発表した。計算速度を競う世界ランキング「TOP500」は米フロンティアがトップで、富岳は4位だった。
ランキングは、スパコンの研究者らで作る国際会議が毎年2回発表している。
富岳が9連覇したのは、HPCGと、実社会の複雑な現象やビッグデータなどの大規模グラフ解析性能を示す「Graph500」の2部門。HPCGでは2位の米フロンティアに1.1倍差をつけた。
TOP500と、人工知能(AI)の開発で使われる計算性能の指標「HPL-AI」は4位だったが、理研と富士通は「引き続き富岳の世界最高水準の総合的な性能を示すものであり、AI開発や情報の流通処理に関する技術開発を加速する役割を十分発揮できることを実証した」としている。
富岳はスパコン「京」の後継機。世界最高レベルのスパコンとして2021年3月から本格運用が始まった。