2024.05.17 【やさしい業界知識】BDプレーヤー・レコーダー
動画配信など拡大で需要減
多チャンネル録画主流に
ブルーレイディスク(BD)やハードディスクドライブ(HDD)を搭載した国内のBDプレーヤー・レコーダー市場は、動画配信サービスの拡大やテレビの録画機能の利用増などで減少が続いている。電子情報技術産業協会(JEITA)の需要動向によると、2022年以降減少幅が拡大しており、この先も減少していくとみられる。
23年の国内のBDプレーヤー・レコーダー市場は前年比27.0%減の130万台で、24年も同26.9%減の95万台になる見通しだ。高精細4K対応のBDレコーダーも全体の需要減の影響を受け、23年は同47.2%減の28万台だった。4K対応レコーダーは全体市場の中で上位機と位置づけられるが、23年の減少幅が大きく4K化率も前年を下回る29.2%となった。
国内のBDレコーダーメーカーは、パナソニック、ソニー、シャープ、TVS REGZAなど。
〝全録〟モデルも
各社の最新製品は2チューナー/3チューナーといった複数チューナーを内蔵し、地上デジタル放送やBS・110度CSデジタル放送などの複数チャンネルの同時録画ができる「多チャンネル録画」モデルが中心になっている。上位機では放送番組を丸ごと全て録画する〝全録〟モデルなどもある。
複数チューナー搭載モデルは、地上デジタル放送の同時2チャンネル録画や、地上デジタル放送とBS放送の同時録画ができる。3チューナー搭載モデルは、同時録画できる番組数が増え、通常の番組を視聴しながら録画できる番組数も増やせる。〝全録〟モデルは、地上デジタル放送をはじめとした放送番組を一定期間全て録画し好きな時に楽しめる。
上位機には視聴者の好みに合わせ好きなジャンルや好きなタレントが出ている番組を自動録画する機能などがつく。録画番組の傾向に合わせて同様のジャンルの番組を自動で録画するものや連続ドラマを自動で録画するモデルもある。
製品によってはインターネットに接続することで「ほかの人がどのような番組を録画しているか」といった、人気録画番組ランキングを表示できるものもあり、機能面だけでなくネット接続により得られる付加情報を訴求するメーカーもある。
内蔵ハードディスクは大容量化し、1テラバイト以上のモデルが多い。「ホームサーバー」としての機能も充実し、リビングのレコーダーと、寝室や子ども部屋のテレビとの連携をはじめ、音楽などさまざまなコンテンツを共有できる機種もある。
外出先でも視聴
外出先でもスマートフォンなどで録画番組が楽しめる宅外視聴ができる機種が多い。カーナビゲーションシステムと連携しドライブ中に録画番組が見られるものも。録画番組を場所や時間を気にせずに視聴できるため、店頭でも提案している。
4K対応製品は、より高画質で視聴できる独自の超解像技術を組み込む機種が多い。4K対応のBD規格「ウルトラHDブルーレイ」に対応した機種も増えているほか、新4K衛星放送チューナーを搭載し4K録画ができる機種も出ている。
ただ、この数年は多くのテレビに録画機能が付くようになり外付けHDDの接続で簡単に録画できるようになってきたことから専用のレコーダーの需要は低迷。この先も厳しさが続くと予想され、メーカー各社も動向を注視している。
(毎週金曜日掲載)