2025.01.16 【計測器総合特集】エーディーシー 持田博史社長
持田 社長
多チャンネル化可能な測定システム提案
エーディーシーは、無線通信部品、光通信部品、自動車関連電子部品の3市場を中心に計測機器などを販売している。
無線通信部品では、5G(第5世代移動通信システム)向けを中心とした部品の生産ライン用、6Gなど次世代方式無線通信システム用部品の開発用として電流電圧発生器(VIG)、エレクトロメーターを拡販している。
光通信部品では、5G・6Gの基地局間通信向け、データセンター間通信向けのレーザーダイオード(LD)・フォトダイオード(PD)、複合モジュール生産ライン用、次世代通信基盤「IOWN」向けデバイス開発用としてデジタルマルチメーター(DMM)、ソースメジャーユニット(SMU、直流電圧・電流源/モニター)を提供。
自動車関連電子部品では、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)用生産設備向けにDMM、エレクトロメーター、VIGを販売している。
現状ではEV市場低迷や、中国・ASEANで日本車のシェアが伸びないことから、市場は不透明な状況と認識する。
半導体分野ではメモリーの製造装置向けでDMMの商談が進む。
2025年もターゲットは3市場となる。
持田博史社長は「自動車関連電子部品市場では、EV・HEV化が進む中、バッテリー電圧変動モニターや充放電マネジメントデバイスの開発・生産用の多チャンネル化が可能な測定システムの提案を推進していく」と話す。バッテリーマネジメントシステム向けでモジュラー式多チャンネルのSMUを投入する計画を持つ。
新規市場として「ペロブスカイト太陽電池の動向に注視したい」と持田社長は話す。この分野は化学メーカーなどの新規参入が多く、研究開発用途でVIG、SMUの拡販を進める方針だ。
電子部品では、高分解能・高精度測定の要求に応え、旧製品の切り替え需要を見込み、24年にリリースしたローエンドDMMを拡販する。
生産効率向上のため、多チャンネル化した生産ライン測定の要求も増加すると予想。製品を組み合わせたシステム提案を強化していく。