2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 飯田通商 山﨑隆博社長
山﨑 社長
中国・ASEANなど海外成長拡大
飯田通商は1965年の設立以降、着実に事業拡大を続け、国内のほか中国、ASEANに拠点を構え、グローバルにビジネスを展開中。
山﨑隆博社長は2024年を「EV(電気自動車)と中国向けが弱まったが、ASEAN、特にタイは好調で海外全体は伸長した」と振り返る。
在庫調整の続く国内は夏以降顧客の生産が戻りつつある。米新政権発足に先立つ需要の動きも注視しながらヒロセ電機、ローム、ニチコン、岡谷電機産業、ソニーなど大手サプライヤーとの強固な関係を最大限に生かし、攻めの営業活動を展開する。
25年には、ヒロセ電機が国内で3年に1回の技術展示会を開催予定。新製品情報を先行公開するため顧客の関心が非常に高く、トップ代理店として大幅な引き合い増を見込み、24年から集客活動に全力で取り組む。
海外では24年11月に中国・武漢に新拠点を設置、海外21拠点に拡充。「米中問題で中国から退くという企業も多いが当社は伸びを見込む」(山﨑社長)。医療機器の需要増加や中小も含めた中国企業の国際進出を商機にする。
ASEANは中国企業の受け皿として重視するほか、地元企業への営業に注力。特にベトナム、マレーシアの車載、フィリピンの産業機器に着目し、地元企業と取引を拡大する。
タイに集約するEMS事業は24年にIATF16949認証を取得。車載メーカーの大型案件が出始めた。強固な洪水対策を施し過去10年間一度も被害なく、さらに新たな工場用地も確保済みで、既存工場と同規模の新工場も視野だ。
ミャンマー工場はAI(人工知能)学習データに注釈を付与するアノテーションや図面の3次元CADデータ化にも注力する。
人材育成は海外志向の強い社員が海外拠点で2年実績を積むトレーニー制度と、語学力に不安のある若手社員を対象とした2週間の国内外交換留学生制度を活用。25年は海外で前年を上回る成長を見込み「24年より明るい年になる」(山﨑社長)。中国で新たに2拠点を検討。インド進出も視察を重ね積極的に検討する。