2025.01.30 体験型イベントで半導体の魅力発信!

みらいテクノロジー工房の様子

 国産半導体の復活に向け、人材育成はますます重要になっている。若い世代に対する半導体魅力発信への取り組みも活発化しており、子どもたちにも半導体に興味を持ってもらおうという動きもある。半導体材料メーカーのレゾナック・ホールディングス(HD)は、社内有志のコミュニティーで科学実験教室を行うほか、イベントへの出展を通じて、技術体験できる企画を展開している。

半導体を題材にしたオリジナルのボードゲームを楽しむ

みなとみらいで半導体技術を体験

 今月25~26日、横浜市みなとみらい地区の商業施設内に、多くの家族連れでにぎわっている一角があった。「未来」をテーマにした技術を展示する都市型イベント「YOXO FESTIVAL」の半導体ブースだ。

 ブースの名前は「みらいテクノロジー工房」。旭化成エレクトロニクス、サムスン電子ジャパンといった横浜市に拠点を持つ企業を中心に、9社1大学が出展。子どもも楽しめる体験型の展示を行った。後工程を中心に、実際の半導体製造工程の順序に従って各社の展示を回り、スタンプラリーを楽しめるものだった。

研磨材料CMPスラリーの開発をVRで体験

パーパス具体化のための取り組み

 レゾナックHDもこのイベントに参加。来場した子どもたちは、さまざまなモノにどのような半導体が使われているか学べるオリジナルのボードゲームや、光の照射で硬化する材料「UVレジン」を使ったキーホルダーづくりを体験した。研磨材料である「CMPスラリー」を開発するVR(仮想現実)体験コーナーも設けた。

 同社のブースを担当した甲田直也さんは「今回は半導体に興味を持ってもらう入り口として、仕組みを理解してもらうよりも体験を重視した」と語る。今回の活動を主導したのは「レブルック」という同社の社内コミュニティー。各部門とのコラボレーション施策として「化学の力で社会を変える」という同社のパーパス実現に向けた具体的な取り組みを行う。そのうち「なぜなぜマーケット」というチームでは同社の製品や働く人に興味を持ってもらうため、社内外で実験教室を実施している。

UVレジンを使って作ったキーホルダー

体験を通じた半導体の魅力発信

 半導体業界を目指す若い世代を増やすためには、小さい頃から半導体の面白さや不思議などの魅力を知ってもらうことは非常に重要。体験を通じた楽しさや「なぜ?」と思う気持ちが、興味・関心を抱くきっかけになる。こうした取り組みを通じ、半導体を目指す若い世代が増えることを願う。