2025.01.30 NEC、4~12月連結は調整後営業益55%増 通期は上方修正

 NECは、日本航空電子工業の非連結化などで減収となったものの、買収に伴う費用などを除いた調整後営業利益は前年同期比54.9%増の大幅増益となった。ここから一過性損益などを除いた実質のNon-GAAP営業利益も同63.3%の増益。好調な業績を受け、通期業績予想を上方修正した。

 主力のITサービスは、国内外とも好調に推移し増収増益。公共分野では自治体標準化の受注が急拡大しているほか、旺盛なDX(デジタルトランスフォーメーション)需要を背景に製造業を中心に大きく伸長している。

 社会インフラも増収増益を確保した。苦境のテレコムサービスは一過性の損益があるものの、調整後営業利益は開発費を中心とした費用効率化で増益を維持した。

 宇宙・防衛領域は、政府予算増に伴う大型案件など獲得済みの案件を着実に遂行し売上高は同36・3%増加。テレコムサービスの人員を振り向けるなどさらなる成長を見据える。

 昨年5月に立ち上げ新たな価値創造モデル「ブルーステラ」の関連事業は前年度比26%増と年間計画を上回る見通し。代表執行役の藤川修CFO(最高財務責任者)は「ブルーステラが業績を押し上げた。全社的に製品のポートフォリオを見直すなど効果が少しずつ出始めている」と評価した。

 こうした業績を受け通期連結業績予想は売上高を400億円増の3兆4100億円、調整後営業利益を50億円増の2600億円に上方修正。Non-GAAP営業利益は250億円増の2800億円とした。

 また、4月1日から1株につき5株の割合で分割すると発表した。投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資しやすい環境を整えるのが狙い。