2025.03.10 パナソニックショップ次世代担う11人 松下幸之助商学院で修業式
修業式の様子
パナソニックショップの後継者育成を目的とする松下幸之助商学院(滋賀県草津市、松田雅賢学院長)で7日、第55期生11人の修業式が行われた。式典には、パナソニックの品田正弘CEO(最高経営責任者)をはじめ関係者が出席。オンライン参加を含め約70人が見守る中、次世代を担う若手経営者たちが新たな一歩を踏み出した。
松下幸之助商学院は1970年に設立され、電器店の後継者育成を目的に10カ月間の全寮制研修を実施している。「徳」「体」「知」の三位一体教育を基本とし、経営者としての資質を磨く。今回の55期生を含め、累計修業者は5046人となった。今期は6年ぶりに女性の修業者も誕生し、東北、関東、関西、西日本など全国各地から集まった。
昨年5月に入塾した11人は、第二種電気工事士資格取得に向けた研修をはじめ、茶道や武道、地元企業でのフィールドワーク、比叡山登山など多岐にわたるカリキュラムに取り組んだ。第二種電気工事士筆記試験では、24年連続で全員合格を果たし、実務面でも着実な成果を上げた。
修業式では、パナソニックの品田CEOが「開講式の時は不安な顔をされていたが、今は経営者の顔に近づいている。家電事業はパナソニックの表看板としてブランドを輝かせる象徴」と強調。「2026年には新たな家電専門の会社を発足するが、今回の改革は家電事業の新たな改革に向けてのステップアップ。日本市場でテレビ事業を撤退することはない。パナソニックショップは全国に6200店あるが、少子高齢化社会で社会のインフラとなっている。共に商売を発展できる道筋を作りたい」と語った。
55期生を代表して勝田康平さんは、「1年間、寝食を共にし、切磋琢磨して色々なことを乗り越えてきた。皆がそれぞれの場で成長し、また出会える日を楽しみにしたい。ここで学んだことを生かし努力を重ねたい」と謝辞を述べた。修業を終えた11人のうち8人は自店に戻り、3人は他店留学を予定している。