2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】東莞昭和電子有限公司 SMK 一貫体制強み、マザー工場機能も
東莞工場の外観
SMKの東莞工場(東莞市)は、自動化・省力化の推進により、付加価値の高いモノづくりを展開。リモコン事業のマザー工場として重要な役割を担うほか、販社と連携し、車載用コネクターなどの中華圏ビジネス拡大に努めている。
東莞工場「東莞昭和電子有限公司」はリモコンや操作ユニットを主力に、ジャック/コネクター、スイッチなどを製造。プレス、成形をはじめ、金型・自動機の設計・製作、印刷、製品設計、基板実装などの機能を備え、ワンストップサービスを提供する。工場規模は敷地面積2万7017平方メートル、延べ床面積2万8026平方メートル。
同工場の強みは、金型から成型、プレスの内製、自動機設計までの一貫体制だ。現地設計した自動機によるリモコン生産を行うとともに、これらの自動化設備を他工場に移管するなど、製造のマザー工場の役割を担う。
2025年3月期は減収の見込みだが、主力のサニタリーリモコンは好調で計画を上振れる見通し。商用車用ワイヤードリモコンやエアコン用リモコンも好調に推移する。近年は日米欧顧客向けに加え、中華系顧客向けビジネスの開拓に注力しており、「深圳や上海などの販社と連携し、中華圏ビジネス拡大に努めている。特に車載用コネクターの受注を増やしていく方針」(長島広和総経理)。
25年もサニタリーリモコン用自動機のさらなる機種展開を進める。「現在はモジュール方式の部分自動化用マシン開発を進めており、今後、マレーシア工場などに展開していく計画」(長島総経理)。
現在取り組んでいるのが、業界最小サイズのプッシュ検出スイッチ「DSJシリーズ」の自動化生産だ。6軸ロボットを活用して自動機開発を進めており、「5月ごろまでの稼働開始を目指している。これにより大きな人員削減につながる」(長島総経理)。
欧州自動車業界で採用されている情報セキュリティー管理に関するTISAX認証も取得した。