2025.03.19 レノボ 1キロ未満のThinkPad 日本のビジネスユーザーの声に応える

X13 Gen 6の丈夫さをアピールする橋倉氏

長辺に対して縦に繊維が通るようにすることで開閉時の強度が増したX1 Carbon Gen 13 Aura Edition長辺に対して縦に繊維が通るようにすることで開閉時の強度が増したX1 Carbon Gen 13 Aura Edition

X13 Gen 6のラバードームという部分を見直すなどしたX13 Gen 6のラバードームという部分を見直すなどした

登壇する塚本氏登壇する塚本氏

 レノボ・ジャパンは、ビジネス向けノートパソコン(PC)「ThinkPad」シリーズに、キーボードの打鍵感やメンテナンス性を向上させながら、重量1キログラム未満に抑えた製品など7モデルを、18日から順次投入している。ノートPCを持ち運ぶ使い方が浸透してきた日本のビジネスシーンで近年高まっている軽量化の需要に応える。

 今回の新製品は、従来から要望が多かったバッテリー交換に応え、ユーザー自身がバッテリーパックを交換できるようにした。交換時の紛失などを防ぐため、脱着防止ネジも取り入れた。

 マイクロソフトが提供するAI(人工知能)アシスタント「コパイロット」の活用が進んでいることから、コパイロットキーを搭載した。

 18日に発売のフラッグシップモデルの「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」(税込み37万6200円~)は、4辺狭額縁ディスプレイを採用し、14型の大画面ながらもコンパクトに仕上げた。

 コパイロット+PCとしてリリースするインテルコアウルトラ200Vシリーズプロセッサーを搭載した製品は、OLEDパネルを搭載した最軽量構成で、約986グラムからの軽量設計を実現した。

 カーボンファイバーの天板カバーは、長辺に対して横向きだった繊維方向を縦にすることで、開閉時に加わる力に耐えられるようにした。ノートパソコンの画面と本体をつなぐヒンジ(開閉部)は、従来のネジ止めから接着に変えて部品数を減らすなど軽量化を図った。

 OS(基本ソフト)のパワーモードを「バランスモード」に設定した際に、キー入力の反応に応じてCPU(中央演算処理装置)の動作範囲の引き上げと引き下げをする電源管理も取り入れた。

 オプションで選択できる4K 800万画素MIPIカメラは新たにHDR処理に対応し、強い光が当たる環境下でも白飛びなどを抑えた自然な写り方を実現。ウェブ会議時の快適性が高まった。

 5月上旬の発売を予定している「ThinkPad X13 Gen 6」は13.3型で、日本市場でボリュームゾーンとなる製品。大容量バッテリーを搭載しつつも約933グラムからの軽量化を実現。筐(きょう)体表面積を削減して持ち運びをしやすくし、ワンバーヒンジとフラットディスプレイを採用した。

 メインボードは、USBタイプAのポートの基盤部分を分けて設置することで省スペース化を図りながら、壊れた際に部分的に交換できるようにした。一方でファンモジュールは大きくし、排熱性を高めた。

 キーボードもネジの数と配置を改善。打鍵感を損なわないようにベースプレートの素材をステンレスからアルミニウムに変えたり、キーキャップを外すと現れるラバードームという部分を見直したほか、キーを叩いて底に着いたときにふわっとした着地感になるようにした。レノボの PC開発拠点の大和研究所機構設計の橋倉誠氏は「疲れにくいと感じてもらえるように工夫した」とこだわる。

 執行役員副社長開発担当の塚本泰通氏は「今回の新製品は日本のユーザーのための製品といっても過言ではない」と力を込めた。