2025.03.21 【九州産業特集】「くまもと産業復興エキスポ 2025」開催 半導体と台湾がキーワード

会場には高校生や大学生も来場

関係者らと会談した曹総裁(左から2人目)関係者らと会談した曹総裁(左から2人目)

 昨年に続いて熊本県が主催する「くまもと産業復興エキスポ 2025」が2月下旬に同県益城町のグランメッセ熊本で開催され、県内の製造、モノづくり関連企業など約270社・団体が出展。JASM、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、東京エレクトロン九州などの大型ブースをはじめ半導体関連ブースは50を超えた。

 このほかルネサスエレクトロニクス、富士フイルムグループ、アムコー・テクノロジー・ジャパン、富士電機、京写、Asue、JUcan、DOWAエコシステムなど、製造装置から部品、設備、素材、環境事業まで幅広く出展し、第1回の昨年より半導体色が一層強まっていた。

 講演やセミナーなどでも半導体と台湾がキーワードに。ジェトロ(日本貿易振興機構)熊本などは初日に、台湾半導体関連企業5社と商談会を実施。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)台湾支部の曹世綸総裁は、TSMC熊本進出後の台湾企業の投資について「海外への投資と並行して日本市場を重視する」と、台湾企業が熊本にも高い関心を持っていると話し、SEMIも協力していく方向だ。サプライチェーンの強化策では、熊本の中小企業には「ジェトロを活用した関係の拡大」を示唆。人材育成では若年層の半導体産業への関心向上から、高等専門学校など教育機関との連携を通じた人材確保にも取り組むと述べた。

 2日目に行われた半導体イノベーションフォーラムでは、「くまもと半導体グリーンイノベーション協議会」の設立が発表され、山口宣洋会長をはじめ理事らが一堂に会した。

 会場では県内の高校生を含む約3000人の生徒や学生が招待され、企業側も若年層向けの親しみやすい企画や技術の活用などを用意して交流を図っていた。来場者数は2日間合計で延べ1万1300人と、昨年を上回る来場となった。