2025.05.12 シャープ、3月期連結はブランド事業全て増収
シャープの2025年3月期連結決算は、アセットライト化を進めるデバイス事業の減収もあり、全体で減収となったものの、強化を図るブランド事業は3セグメント全て増収となった。
また営業利益も、為替要因によるマイナス影響はあったものの、構造改革の進展もあり増加。営業利益、経常利益、最終利益いずれも大きく改善し、黒字化を達成。公表値も上回った。
沖津雅浩代表取締役社長執行役員CEOは「1年前に社長に就任し、2024年度は構造改革をやりきり、25年度以降再成長に向け取り組むということで臨んだが、予定通りスタート台に立つことができた」と24年度業績を総括した。
ブランド事業では、スマートライフ&エナジーが白物家電やテレビの高付加価値化の進展、スマートオフィスでのパソコン事業・複合機、オフィスソリューションの伸長など、厳しい市場環境の中でも健闘した商品が増えた。
デバイス事業はSDP液晶工場・関連施設のソフトバンクやKDDIへの譲渡など、ディスプレイ事業の構造改革が進展、営業赤字は大幅に改善した。
同社では25~27年度に向けた中期経営計画も公表した。27年度には営業利益800億円、ブランド事業の営業利益率7.0%以上を目指す。
新中計は再成長のフェーズと位置付け、ブランド事業のグローバルでの拡大・事業変革の加速および積極投資(3年間で約1800億円)を図り、競争力を高める。またコア技術の開発、人への投資、マネジメント力強化で持続的な成長を図る基盤構築を進める。