2025.06.03 【ITサポートサービス特集】パーソルコミュニケーションサービス パーソルGとの強み生かす マイクロソフト365活用支援を本格化

小池 事業部長

 パーソルコミュニケーションサービスは2月3日付で富士通コミュニケーションサービスから社名変更し、新たな体制でスタートを切った。長年、富士通グループでコンタクトセンターサービスやIT(情報技術)サポート、業務の一部を請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスなどを手掛けてきたが、新たにパーソルグループ傘下に入り、双方の強みを生かしたサービス展開を図る。

 2025年度は、企業の情報システム部門などが抱えている課題に寄り添ったITサポートサービスに取り組む。導入済みのシステムの利活用を支援するとともに既存システムのクラウド化に向けたインフラ運用の支援も開始。既存システムの利活用では24年度から支援を始めているマイクロソフト365の活用支援を本格化する。

 小池章良CXビジネス本部副本部長兼サービスデスク事業部事業部長は「マイクロソフト365は導入しやすい半面、使いこなせずに苦労している企業が多い」と話す。顧客からの問い合わせも多く、この一年で30社近くと商談してきた。社内体制も整い本格的な支援を始めている。365ではイントラネットのサイト構築後に利活用が進まない、部門や個人で無秩序にアプリやサイトを構築し統制されていないなどの課題も多いという。

 同社はコンタクトセンターで培ってきた企業内のヘルプデスク支援や、メーカーやベンダーが販売する製品のサポートなどで蓄積してきた知見を持ち、ユーザーに寄り添った対応ができる。365の活用支援では、ユーザーインターフェースの観点からのアドバイスやワークフローの組み込みなどを顧客と伴走しながら進めている。

 24年8月、生成AI(人工知能)のチャットボット活用支援サービスも始めた。「AIチャットボットを導入したが回答精度が低く使ってもらえないという問い合わせも多い」(小池氏)といい、ベンダーに依存せずに回答精度を上げるためのチューニングを行う支援を進めている。既に数社で対応した。マイクロソフトのAIアシスタント「コパイロット」も使い勝手が高まっているため、コパイロットの活用支援もメニュー化していく。

 同社サービスの基本は、導入した企業が自走できるようにすること。「自主的にシステムを運用できなければ使いこなすことができない」(小池氏)とみており、今後もサービスメニューを増やしながら伴走していく計画だ。

 今後、中堅中小企業の情報システムのクラウド化の需要がさらに増える背景から、ITインフラへの運用領域の支援も強化する。マイクロソフト365とオンプレミス(社内構築システム)が連携した運用が出てくることも想定し、人財育成も始めた。7月から「ITインフラエンジニア育成プログラム」をスタートする。マイクロソフトのクラウド関連の資格取得を進める計画で、年内に十数人規模まで育成する。3年後に50人規模まで増やす。

 インフラサービス事業部と連携してプログラムを進め、サービス領域で経験の豊富な人財が技術領域の知見を習得できる環境をつくることでサービス力と技術力を底上げする。小池氏は「クラウド移行に関する課題もニーズを拾い、小回りの効く支援をしていく」と話している。