2025.06.10 京セラみらいエンビジョン 世界の技術で「ローカル5G」の可能性拡大

展示した「3Dホログラム」を紹介する劔持亨氏=東京都江東区

モニターに立体的に浮かび上がる車の「3Dホログラム」モニターに立体的に浮かび上がる車の「3Dホログラム」

作業現場で威力を発揮するARグラス作業現場で威力を発揮するARグラス

 通信キャリアの電波整備など情報通信技術を扱う京セラみらいエンビジョン(東京都港区)は、大容量の映像を遅延なく送信できるローカル5Gに世界各国の製品を組み合わせたソリューションを提案し、ネットワークの構築にも力を入れている。それを印象づける舞台となったのが、東京都江東区の東京ビッグサイトで5月に開かれた無線通信の専門展示会「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2025」だ。ローカル5Gを生かす同社の最前線に迫った。

 「ローカル5Gの電波とつないでどのような面白い世界を作れるか」――。同社は、そんなテーマを掲げて最新のソリューションを展示した。

 ローカル5Gは、特定エリアをカバーする高速通信規格で、「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」という特長を持つ。ブースには、その可能性を広げる多彩なソリューションが集結した。

 展示したローカル5Gの活用法の1つが、米PROTOの3D(3次元)ホログラムを生かしたコミュニケーション。離れた場所にいる相手との間を5Gで結び、インタビューやオンライン会議を行うことができる。3Dホログラムは、製品の広告や教育現場でも威力を発揮する。

 建設・土木業界の現場では、作業員が遠方にあるフォークリフトや危険な場所での作業を、遠隔から5Gネットワーク経由で操作し、現場の映像をリアルタイムで共有できるという。

 その他にも、バーコードの読み取り作業を支援しようと、AR(拡張現実)グラスと音声認識を組み合わせた環境を構築。現場の作業員がARグラスを装着して作業することで、ヒューマンエラーを防ぐ効果も期待できる。

 営業統括部副事業部長の劔持亨氏は「良い無線環境を日本中に届け、無線と技術の組み合わせで良いものを提供したい」と話しており、今後も同社の展開から目が離せない。